はじめての生成AI
生成AIとは?初心者にもわかる基本の仕組み
「生成AI」という言葉は毎日のように目にしますが、これまでのAIと何が違うのかを一言で言える人は多くありません。違いは、返ってくるものの形にあります。
「判定するAI」と「作るAI」は別物
これまでのAIは、渡されたものに札を貼る仕事をしてきました。このメールは迷惑メールか、この写真は猫か、来月の売上はいくらか。入力に対して「AかBか」「確率は何%か」を返します。
生成AIはそこが違います。手元になかった文章・画像・音声・コードを、ゼロから組み立てて返してきます。生成AIとは、新しいコンテンツを自分で作り出すAIのことです。 このコース全体が、この一行の上に乗っています。
| 観点 | 従来のAI | 生成AI |
|---|---|---|
| やること | 分類、判別、予測 | 文章、画像、コード、音楽の作成 |
| 返るもの | 「AかBか」「確率は何%」 | 新しい文章、オリジナルの画像 |
| 身近な例 | 顔認証、おすすめ商品、株価予測 | ChatGPTでの記事執筆、画像生成AIでのアート作成 |
この「作る」の中身は、思っているより日常的です。断りづらい打ち合わせの辞退メールを数秒で下書きする、数千字の議事録を三行に畳む、Excelのセルを自動で色分けするプログラムを書く、三十代女性向けのヨガスクールの名前を十個並べる。どれも、今までは人が最初の一行から書き起こしていた仕事です。
中身は「次にくる言葉」を当て続けている
なぜ人間が書いたような文章になるのでしょうか。テキストを扱う生成AIは大規模言語モデル(LLM)と呼ばれ、やっていることは「次にくる言葉を確率で選ぶ」の繰り返しです。
「むかしむかし、あるところに」まで読ませると、次にくる言葉として「おじいさんが」が高い確率で選ばれます。これを一語ずつ積み上げていった結果が、あの自然な文章です。「さっきの話だけど」と言って通じるのも、直前までのやり取りをまるごと材料にして次の一語を選んでいるからです。
もっともらしい嘘が混ざるのは、仕組みの裏返し
仕組みが分かると、次の性質も素直に受け取れるはずです。AIは「正しい言葉」ではなく「次にきそうな言葉」を選んでいるので、事実と違う内容を自信たっぷりに書くことがあります。これをハルシネーション(幻覚)と呼びます。
これは不具合ではなく仕組みの副作用なので、直してもらうことはできません。数値・固有名詞・最新の出来事は人間が裏取りする、と最初から決めておくのが正しい付き合い方です。
もう一点、入力した内容がAIの学習に使われる可能性があります。顧客の氏名や住所をそのまま貼るのではなく、個人を特定できない形に直してから渡してください。
プレーンテキスト
避けたい例
顧客の田中太郎さん(住所 東京都渋谷区...)への謝罪メールを書いてください。
良い例
「商品の配送が遅れた」件について、顧客への丁寧な謝罪メールの下書きを書いてください。まずは実害のない用件から
生成AIは仕事を奪う脅威ではなく、下書きを引き受けてくれる副操縦士です。数時間かかっていた作業が数分になれば、その分の時間を判断や仕上げに回せます。
今日のお昼ご飯の献立でも、読んだ本の要約でもかまいません。間違っていても困らない用件で何往復かすると、どこまで任せられてどこから疑うべきかが、説明を読むより早く体に入ります。次のレッスンでは、その相手となるChatGPT・Claude・Geminiの違いを見ていきます。
復習ミニクイズ
生成AIが人間のように自然な文章を作成できる仕組みとして、最も適切な説明はどれですか?