はじめての生成AI
【業務活用】企画書のたたき台をAIに作成させる
白紙の画面の前で、30 分が過ぎる
企画書で一番時間を食うのは、中身を考える工程ではありません。何から書き始めるかを決める工程と、全体の構成を決める工程です。真っ白な画面を前にした 30 分は、そのまま消えます。
AI にたたき台を出させると、この 2 つがまとめて飛びます。たたき台とは、そのまま提出する完成稿ではなく、直すための出発点のことです。自分の仕事が「作る」から「直す」に変わるだけで、心理的な重さがかなり違います。
背景と制約を渡さないと、平均値が返ってくる
「社内親睦会の企画書を作ってください」と頼むと、どの会社にも当てはまる代わりに、どの会社にも刺さらない案が出ます。AI は情報の足りない部分を、世間の平均値で埋めるからです。
プレーンテキスト
# 目的
社内コミュニケーションの活性化と、新入社員の早期馴染み促進のための親睦会企画案を作成してください。
# 背景・現状
・全社員50名、うち新入社員5名
・リモートワークが増え、他部署との交流が減っている
・予算は一人当たり5,000円以内
# 求める構成
1. 企画タイトル(目を引くもの)
2. 開催の目的と狙い
3. 具体的なイベント内容(オンライン・オフライン併用を想定)
4. 期待される効果
5. 概算スケジュール
# トーン
前向きで、ワクワクするようなビジネス文書のトーンでお願いします。返ってくるのは「企画タイトル → 部署の壁をほどく 90 分、はじめまして交流会」といった案から始まり、以下に目的、イベント内容、期待効果、スケジュールが続く一式です。
効いているのは背景の 3 行です。「リモートで他部署との交流が減っている」と渡したから、部署をまたいで組を作る案が出てきます。予算を書いたから、実現できない案が減ります。あなたの会社の事情を入れるほど、返ってくる案も自分たち向けに尖っていきます。
構成に迷うときは、SWOT 分析や 3C 分析、PREP 法といった名前のあるフレームワークを指定してください。名前を出すだけで、AI はその型に沿って並べ直します。読む側にとっても見慣れた構造になります。
一気に全文を書かせない
最初から完成した企画書を出させようとすると、どの項目も浅くなります。分けて進めます。
まず役割を与えて案を広げます。「あなたは経験豊富なマーケティングコンサルタントです。20 代女性向けの新しいスキンケア製品のコンセプトを 10 個提案してください」。次に、選んだ案で骨子を作らせます。最後に「まず 1 の現状分析を詳しく書いてください」と、章ごとに埋めていきます。
章ごとに書かせると、途中で方向がずれたときに、その章だけ直せます。全文を一度に出させると、直したい一箇所のために全部を出し直すことになります。
数字は一次ソースに戻る
市場規模や成長率のような数値は、AI がもっともらしい値を作ることがあります。企画書に載せた数字は会議で必ず突っ込まれる場所なので、出典を自分で確かめてから使ってください。
社内の事情も AI は知りません。決裁者が何を嫌うか、過去に似た企画がなぜ落ちたか。この味付けを自分で足して、初めてたたき台が企画書になります。
まずは社内イベントや業務改善の提案のような、小さな企画から試してみてください。白紙の 30 分がなくなるだけで、企画書に対する構えが変わります。
復習ミニクイズ
生成AIを使って業務で使える質の高いたたき台を作成する際、最も適切な進め方はどれでしょうか?