はじめての生成AI
AIへの追加質問のやり方 ── 回答を深掘りする質問の仕方
1 回で終わらせるから、当たり前の答えで止まる
「本を効率的に読む方法を教えてください」と聞くと、「目次を確認する」「線を引く」「アウトプットする」と返ってきます。正しいのですが、どこかで読んだことのある内容ばかりです。ここで「やはり AI はこの程度か」と画面を閉じてしまう人が、いちばん損をしています。
生成 AI は、同じ会話の中でのやり取りを覚えています。だから 2 通目以降は、前提を説明し直さずに「さっきのあれ」と指せます。この性質を使わずに 1 往復で終わらせるのは、いちばん美味しいところを捨てているのと同じです。
AI の 1 通目は、誰に対しても通用する平均値です。自分の状況に合う答えになるのは 2 通目以降です。専門家に 1 問だけ質問して、返事を聞かずに帰るようなことをしない、というだけの話です。
返ってきた答えの中から、1 語を選んで掘る
深掘りのコツは、次の質問を自分でひねり出さないことです。返ってきた答えの中の言葉を 1 つ選んで、それについて聞き返します。
良い例
プレーンテキスト
いま挙げてくれた「アウトプットする」について、 忙しい会社員が毎日5分でできるやり方を教えてください
名指しした言葉に、状況を一言添えるだけの文です。すると「SNS に 1 行だけ感想を書く」「読んだ直後に 1 分だけ内容を思い出す」といった、実行できる粒度まで下りてきます。ここでさらに「『内容を思い出す』のとき、頭の中で何を考えればいいですか」と掘れば、自分に問いかける 3 つの質問という形にまでなります。
掘る場所の選び方は簡単です。返ってきた項目の中で、いちばん抽象的で、読んでも動けない言葉を選びます。「アウトプットする」「意識する」「工夫する」。この手の言葉は、必ず下に具体が隠れています。
3 手で、一般論が明日の行動に変わりました。やったことは毎回、前の答えから 1 語を拾っただけです。自分で次の質問をひねり出す必要はありません。
「もっと詳しく」では掘れない
うまくいかない聞き方も、はっきりしています。
- 「もっと詳しく」とだけ送る と、どこを厚くすべきか分からず、全体が少し長くなるだけで終わります
- 新しいチャットを開いて聞き直す と、AI は前の会話を覚えていないので、また 1 通目の平均値が返ってきます
もう 1 つ、意外と多いのが、返ってきた答えに納得できないまま黙って別の話題に移ってしまうことです。「そこは違うと思います」「うちの会社ではその前提が成り立ちません」と書けば、AI はその条件を踏まえて考え直します。反論もまた、立派な追加質問です。
どちらも、対象を指していないことが原因です。「3 番目の項目について」「さっき出てきた〇〇について」と、必ず名指ししてから聞いてください。そして深掘りしたいときは、同じ画面の同じ入力欄から送る。この 2 つだけ守れば十分です。
何往復すればいいのかという決まりはありませんが、目安は 3 手です。説明の中に知らない言葉が出てきたら、その場で「いまの〇〇が分かりませんでした」と伝えて構いません。遠慮するほど損をします。
復習ミニクイズ
AIから「効率的な仕事術」について回答をもらいましたが、内容が一般的で物足りないと感じました。より自分の状況に合った実用的な情報を引き出すための行動として、最も適切なものはどれですか?