はじめての生成AI
生成AIでできること・できないこと
AIを使い始めたのに思ったような回答が返ってこない。情報が正しいか不安で、結局業務には持ち込めない。この二つは、AIの性能ではなく、投げている用件の種類が原因であることがほとんどです。
得意な側に投げているか
線引きはとても単純です。生成AIは創造と編集が得意で、事実確認と責任ある判断が苦手です。この一行を握っておけば、目の前の用件をどちらに振るか迷いません。
得意な側は次の四つです。文章の作成と添削と要約は最も基本の守備範囲で、「新商品の紹介メールを二十代女性向けに親しみやすいトーンで」といった注文に数秒で応じますし、自分の書いた硬い文章を柔らかく直すこともできます。アイデア出しでは疲れない相談相手になり、十個並べさせて選ぶ、自分の案の弱点を指摘させる、といった壁打ちに向きます。コードの生成とデバッグでは、エラーメッセージを貼るだけで原因の候補と修正案が返ってきます。翻訳は直訳ではなく、文脈やビジネス上の礼儀を汲んだ訳が可能です。
苦手な側は四つある
事実の正確さは最初の落とし穴です。前のレッスンで見たとおり、AIは確率的に次の言葉を選んでいるだけなので、存在しない法律や架空の人物を詳しく解説してしまいます。数値、固有名詞、歴史的事実は公的機関のサイトや書籍で裏取りしてください。
複雑な論理と計算も苦手です。多段階の推論や、条件が絡み合うパズルでは、途中で論理が破綻することがあります。
最新の出来事と非公開情報は原理的に扱えません。学習した時点までの世界しか知らず、社外秘の資料や個人の事情は入っていません。
責任を伴う判断は肩代わりできません。AとBのどちらがよいか意見は述べますが、その結果を引き受けるのは常に人間です。倫理的にきわどい領域や、人の感情が絡むデリケートな問題も同じです。
四つとも「そのうち直る欠陥」ではなく、仕組みから来る性質です。最初から人間が最後にチェックすると決めておけば、怖がる必要はありません。
線を引ければ、明日から業務に使える
守るのは三つだけです。
| 鉄則 | 中身 | 具体的な動き |
|---|---|---|
| 下書きとして使う | 0点を60点にする工程を任せる | 出てきた文章を人が手直しして仕上げる |
| 具体的に指示する | 前提を伝えて曖昧さを消す | 誰に、何を、どんなトーンでを明示する |
| 最後に人が確認する | ファクトチェックを省かない | 重要な数値と固有名詞は自分で検索する |
二つ目は効き目が大きいので、例で見てください。
プレーンテキスト
避けたい例
メールを書いてください。
良い例
新商品の紹介メールを、20代女性向けに親しみやすいトーンで書いてください。
箇条書きで3つのメリットを含めてください。うまくいく型もあります。ブログ記事なら、ターゲットと伝えたい核心は自分が決め、構成案をAIに出させ、各段落に自分の体験を足し、最後に誤字と事実を自分で確認する。執筆時間は半分になり、自分にしか書けない部分は残ります。
失敗の型はいつも同じです。「最新の競合の売上推移をまとめて」と丸投げし、返ってきた架空の数値をそのまま会議資料に載せて、その場で指摘される。事実が要る場面ではAIを検索の補助にとどめ、最終的な数字は元データで確かめる。それだけで防げます。
復習ミニクイズ
生成AIを使って重要な業務レポートを作成する際、レッスンの内容に基づいた「もっとも適切な活用方法」はどれですか?