はじめての生成AI
【業務活用】文章の校正・推敲をAIに依頼する
自分の文章の誤字は、なぜか見えない
書き上げた文章を三度読み返して、送信した直後に誤字を見つける。この経験は誰にでもあります。人は自分の書いた文章を読むとき、文字を追っているようで、頭の中にある「書いたつもりの内容」を再生しています。だから、そこに無いはずの文字まで見えてしまいます。
この弱点は、何度読み返しても消えません。必要なのは、内容を知らない誰かに読んでもらうことです。生成 AI は、初めてその文章を読む人として、書かれている文字だけを見てくれます。
「直して」だと、どこを直されたか分からない
そのまま「この文章を校正して」と頼むと、AI はきれいに書き直した完成品を返してきます。一見便利ですが、これは困ります。自分の文章のどこが悪かったのかが分からないので、次に書くときも同じ間違いを繰り返すからです。
依頼するときは、見てほしい観点を先に並べ、修正理由を添えさせます。観点を挙げるほど、AI の指摘は具体的になります。
プレーンテキスト
以下の文章を校正してください。次の観点で問題があれば指摘してください。
- 誤字脱字
- 表記ゆれ(「お問合せ」と「お問い合わせ」のような不統一)
- 文末の不統一(です・ます調と、だ・である調の混在)
- 冗長な表現(もっと短く言い換えられる箇所)
- 主語と述語のねじれ
修正後の全文ではなく、「元の表現 → 修正案 → 修正理由」の 3 点を
箇条書きで挙げてください。
(ここに文章を貼り付ける)社内に表記ルールがあるなら、それも一緒に渡してください。「数字は半角」「サービス名は正式名称で書く」といった決まりを添えるだけで、AI はその基準で見てくれます。一般的な日本語として正しいかどうかと、自社のルールに合っているかどうかは別の話です。
修正理由を読むことが、実はこの作業のいちばんの収穫です。「主語が途中で入れ替わっている」と何度か指摘されると、次から自分で気づけるようになります。AI を使うほど、AI を使わなくても書けるようになっていきます。
長い文章をまとめて渡すと、後半の指摘が急に雑になることがあります。数千字を超えるなら、章や節で区切って渡してください。一度に見る量が減るほど、指摘は細かくなります。
校正と推敲は、別の依頼にする
ここで混ざりやすいのが、二つの違う作業です。校正は誤字脱字や文法の誤りを正す作業で、正解と不正解があります。推敲は表現や構成をより良くする作業で、正解はなく、好みと目的の問題になります。
この二つを一度に頼むと、AI は誤字を直しながら文章全体を書き換えてしまい、どこが間違いでどこが好みの提案なのか区別がつかなくなります。
先に校正だけを済ませ、誤りが無い状態にしてから、改めて推敲を頼んでください。推敲のときは、目指す方向を具体的に伝えます。「もっと短く」「専門用語を使わずに」「同じ内容で 3 パターン」といった依頼なら、出てきた案を並べて選べます。
最後に、AI が返した文章の中身は必ず自分で確かめてください。文章を整える過程で、書いていない事実や、意味が変わった一文が紛れ込むことがあります。日本語としての正しさは AI に任せられますが、内容が事実かどうかは書いた本人にしか判断できません。
復習ミニクイズ
AIに文章の推敲(ブラッシュアップ)を依頼する際、より自分の意図に沿った精度の高い提案をもらうための「プロンプトのコツ」として、最も適切なものはどれでしょうか?