はじめての生成AI
子どもに生成AIを使わせる際の注意点
「使わせない」も、そんなに安全ではない
子どもにとって生成 AI は、何でも答えてくれる相手に見えます。宿題のヒントをくれて、物語を一緒に作ってくれて、プログラミングの質問にも付き合ってくれます。心配になった大人が最初に思いつくのは「まだ使わせない」という判断でしょう。
ただ、学校でも友だちの家でも触れる機会は増えていきます。何も知らないまま一人で使い始めるより、大人が横にいるうちに、疑いながら使う練習をしておくほうが結果的に安全です。禁止か放任かではなく、約束と見守りの設定を先に用意しておく、と考えてください。
年齢の決まりは、使うサービスごとに確認する
主要なサービスには、利用できる年齢の条件が定められています。ChatGPT では 13 歳以上であることを条件とし、18 歳未満の場合は保護者の同意を求めていると案内されています。他のサービスでも似た条件を置いていることが多いようです。
ただし、この条件は国や地域、アカウントの種類によって違いますし、規約の改定でも変わります。ここに書いてある数字を覚えるのではなく、使う前にそのサービスの公式ページを開いて確かめるようにしてください。年齢に届いていない場合は本人のアカウントを作らせず、保護者のアカウントを一緒に使う形から始めるのが無難です。
AI は、平気で間違えると先に教える
子どもに最初に伝えるべきなのは、使い方の手順ではありません。AI は自信たっぷりに間違えることがあるという一点です。大人でも見分けが難しい嘘を、落ち着いた口調で書いてきます。
そのうえで、家庭の約束を決めておきます。多くても 5 つくらいまでにして、紙に書いて見えるところに貼っておくと守られやすくなります。
| 約束 | 中身 |
|---|---|
| 名前を教えない | 自分や家族の名前、住所、学校名は入力しない |
| 本で確かめる | AI が言ったことは、本や図鑑や公式サイトでも確かめる |
| 変なときは呼ぶ | 怖い回答や嫌な回答が出たら、画面を閉じて大人を呼ぶ |
| 丸写ししない | 宿題の答えではなく、考えるヒントとして使う |
| 使ったと書く | 作品に AI を使ったら、そのことを正直に書く |
家庭の方針は家ごとに違って当然です。学校で使う場合は、学校側の指針もあわせて確認してください。
答えを書かせるのではなく、考えを引き出す
同じ AI でも、頼み方で役割がまったく変わります。読書感想文を例にすると、次の頼み方は子どもの出番をなくします。
プレーンテキスト
「吾輩は猫である」の読書感想文を 400 字で書いてください。一方、こう頼むと AI は聞き役に回ります。
プレーンテキスト
「吾輩は猫である」を読みました。猫が人間を観察しているところが
面白かったのですが、うまく感想が書けません。
感想を書くための切り口を 3 つ提案してください。出てきた切り口の中から、子どもが「これだ」と思うものを選んで自分の言葉で書く。この過程が残っていれば、AI を使ったことは学びを減らしません。自由研究のテーマ出しや、プログラミングでエラーが出たときの相談も、同じ形で使えます。
保護者の側も、履歴をときどき一緒に眺めてみてください。何に興味を持っているかが分かる、いい話のきっかけになります。学習に使わせない設定や、OS の利用時間制限も、あわせて確認しておくと安心です。
復習ミニクイズ
10歳の子どもが生成AIに興味を持った際、保護者がとるべき対応として「子どもの安全」と「学びの質」の両面から最も適切なものはどれですか?