はじめての生成AI
AIに「具体例」を出させて理解を深める方法
正しいけれど、ピンとこない
「コミュニケーション能力を高めるには」と聞くと、「相手の話をよく聞くことが大切です」と返ってきます。反論のしようがない正論ですが、明日の朝から何をすればいいのかは分かりません。読んだ 5 分後には忘れてしまう類の文章です。
抽象的な言葉は、具体的な場面と結び付いて初めて頭に残ります。そこで使うのが、例を出させるという頼み方です。「例えばどういうことですか」の一言で、AI は自分の答えを場面に落とし直してくれます。
この一言は、話の途中どこで挟んでも構いません。最初の質問に入れてもいいですし、返ってきた答えを読んでから足してもいいです。
個数を切ると、2 つ目から面白くなる
例を求めるときは、必ず個数を指定してください。
良い例
プレーンテキスト
いま説明してくれた「相手の話をよく聞く」について、 実際の職場でありそうな場面を3つ挙げて説明してください
1 つだけ求めると、AI はいちばん無難な例を出して終わります。3 つと切ると、典型例を出し切った後に、少し角度の違う例を探しにいきます。読んで発見があるのは、たいてい 2 つ目から先です。1 つ目は予想がつくものが来ます。じっくり考えたいときは 5 つにしてください。
個数を切ると、もう 1 つ良いことがあります。3 つ並ぶと、それぞれの共通点が見えてきます。3 つの場面に共通して出てくる要素こそが、その話の本質です。1 つの例では気づけないものが、並べると浮かび上がります。
誰の話なのかを決める
もう一段効くのが、例の登場人物を決めることです。
良い例
プレーンテキスト
事務職でExcel作業が多い人がプログラミングを学ぶと何が変わるか、 実際の業務が楽になる場面を想定して具体例で教えてください
「プログラミングのメリットを教えて」との差は歴然です。後者は「毎日 1 時間かかっていた集計をボタン 1 つで終わらせる」のような、自分の机の上で想像できる話に変わります。誰にとっての例なのかを決めるだけで、他人事が自分事になります。
自分の状況をそのまま書いて構いません。職種、扱っているもの、困っている場面。書くほど、返ってくる例は自分の毎日に近づきます。
分からない概念は、知っているものに置き換えてもらう
言葉の説明を読んでも分からないときは、例よりもう一歩踏み込んで、たとえ話を頼みます。
良い例
プレーンテキスト
「API」というIT用語を、中学生にも分かるようにレストランに例えて説明してください
たとえ話は必ずしも正確ではありません。置き換えた時点で、細かい部分は必ず落ちます。それでも、まったく分からない状態から「だいたいこういうものだ」という足場を作れる価値の方が大きい。正確さは、足場ができた後で取りに行けます。
自分がよく知っているものに置き換えてもらうと、いきなり腑に落ちることがあります。うまく刺さらなければ、「料理ではなく郵便で例えて」と置き換え先を変えてみてください。理解できないのは自分の頭の問題ではなく、例え方が合っていないだけであることが大半です。
復習ミニクイズ
AIから自分の状況に合った分かりやすい回答を引き出すために、最も効果的な「具体例のリクエスト」はどれでしょうか?