はじめての生成AI
【業務活用】プレゼン資料の構成案を作成する
白いスライドを 1 時間眺めてしまう
パワーポイントを開いて、1 枚目のタイトルを打ち込んで、そこで止まる。気づけば 1 時間が過ぎている。資料作成でいちばん時間を奪うのは、図やデザインではなく構成が決まっていない状態です。
構成さえ決まっていれば、あとはスライドに落とすだけの作業になります。だから最初の一手は、デザインではなく骨子を用意することです。ここに生成 AI を挟むと、白紙からではなく「たたき台を直すところ」から始められます。
目的と聞き手を書かないと、どこにでもある構成が返る
「社内チャットツールの導入プレゼンの構成案を作って」とだけ頼むと、教科書のような無難な構成が返ってきます。AI が手を抜いたわけではなく、誰に何を承認してもらう資料なのかを知らないので、当たり障りのない最大公約数を出すしかないのです。
必要なのは次の 4 つです。目的(何を承認してほしいか)、聞き手(誰が判断するか)、尺(何分・何枚か)、外せない論点。これを書いた瞬間、AI は聞き手が気にする順に話を並べ替え始めます。
プレーンテキスト
あなたは IT コンサルタントです。
以下の条件で、社内チャットツール導入を提案するプレゼン資料の構成案
(全 10 スライド)を作成してください。
# 条件
- 目的: 経営層から導入予算の承認を得る
- 聞き手: 50 代以上の経営役員。IT ツールにはやや抵抗がある
- 現状の課題: メールのやり取りが煩雑で、情報共有のスピードが遅い
- 期待する成果: 意思決定スピードの 30% 向上、残業代の削減
# 出力形式
各スライドについて、次の 3 つを書いてください。
- スライドのタイトル
- そのスライドで伝える主要メッセージ(箇条書きで 3 つ)
- 図解のイメージ(1 行)構成の型を指定するのも有効です。「PREP 法で組んで」と一行足すだけで、結論が先頭に来て、理由と具体例がその後ろに整列します。PREP 法は結論、理由、具体例、もう一度結論の順に並べる型で、判断する側が途中で読むのをやめても要点が伝わります。役員向けの資料ほど、この一行が効きます。
覚え方 — 自分の資料は「言いたいこと」の順に並びがちです。AI に聞き手を教えると、並び順が「知りたいこと」の順に組み替わります。構成案を AI に頼む価値の大半はここにあります。
一度で完成させようとしない
返ってきた構成案は、そのまま使うものではありません。ここから対話で肉付けしていきます。順番は次の通りです。
- 弱い節を名指しで深掘りする — 「スライド 4 の『現状の課題』を、役員が納得しやすい時間の試算に置き換えて」
- 反論を先に潰す — 「コスト意識の高い経営層から出そうな懸念を 5 つと、それぞれへの回答案を出して」
- 話す原稿を作らせる — 「この構成で、1 枚あたり 1 分で話せる原稿にして」
2 番目が特に効きます。プレゼンで詰まるのは本編ではなく質疑応答であり、そこは自分では死角になりやすい部分だからです。AI に意地悪な聞き手を演じてもらうと、構成そのものの穴も一緒に見つかります。
なお、AI が出してくる市場データや統計は、それらしく見えても出典が存在しないことがあります。スライドに数字を載せるなら、官公庁の統計や自社の実績値で必ず裏を取ってください。
復習ミニクイズ
生成AIを使って、聞き手に刺さる説得力のあるプレゼン構成案を作成するために、プロンプトで最も意識すべきポイントは何ですか?