はじめての生成AI
【業務活用】ビジネスメールの文面作成を自動化する方法
書き出しの一行に、15 分かかる
日々の業務で、メール 1 通に 15 分、30 分とかかってしまうことがあります。件名を考え、失礼のない敬語を選び、構成を整える。なかでも手が止まるのは書き出しです。
生成 AI は、この「ゼロから文章を組み立てる」部分を肩代わりできます。AI が下書きを出し、人が事実を確認して微調整する。この分担にするだけで、1 通あたりの時間は半分以下になります。
4 つを渡すと、下書きが返ってくる
「打ち合わせの依頼メールを書いてください」とだけ送ると、誰に何のために送るのかが分からないので、当たり障りのない文章が返ってきます。次の 4 つを渡すと結果が変わります。
- 役割 — 「あなたは優秀な営業事務です」と立場を指定する
- 背景 — 誰に、どんな状況で送るのかを説明する
- 目的 — 最終的に相手にどうしてほしいのかを書く
- 制約 — 「簡潔に」「丁寧に」など、形式や温度感を指定する
実際のプロンプトは次のようになります。
プレーンテキスト
あなたは優秀な営業事務です。以下の条件で、取引先の担当者へ打ち合わせ依頼のメールを作成してください。
【条件】
・宛先 → 株式会社サンプル 営業部 佐藤様
・件名 → 新プロジェクトに関するキックオフミーティングのご相談
・内容 → プロジェクトの詳細説明とスケジュールの確認を行いたい
・候補日 → 4月10日 14時〜、4月11日 10時〜、4月12日 15時〜
・トーン → 丁寧かつ意欲的に返ってくるのは「平素より大変お世話になっております。標記の件につきまして、キックオフミーティングのお時間を頂戴できないでしょうか」といった書き出しで、以下に候補日と結びまで続きます。あとは日程が自分の予定と合っているかを見るだけで済みます。
この 4 つは、この先どんな種類のメールを書かせるときも土台になります。
同じ渡し方で、メールの用途は 3 つに広がります。1 つ目は今のようにゼロから書かせる使い方。2 つ目は届いた長文への返信で、「承諾の返信を書いて。ただしこの条件だけは修正してほしい」と伝えると、角の立たない断り方まで組み立ててくれます。3 つ目は自分で書いた文章の言い換えで、「もう少し柔らかく」「もっと硬い印象に」と頼むだけで温度が変わります。
部下に仕事を頼むときと同じです。「よろしく」では動けませんが、背景と締め切りと形式を伝えれば動けます。
そのまま送ってはいけない
便利ですが、出てきた文章をそのまま送るのは危険です。
まず、無料のサービスでは入力した内容が学習に使われることがあります。取引先名や案件名は [A 社] [〇〇案件] のように伏せ字にしてから渡してください。
次に、AI は事実と違うことを自信ありげに書きます。日付、金額、担当者名は必ず自分で確かめます。文面がどれだけ整っていても、責任を持つのは送信者であるあなたです。
最後に、AI の文章は整いすぎていて冷たく読めることがあります。相手とのこれまでのやりとりを踏まえた一言を冒頭か末尾に添えるだけで、印象は大きく変わります。書き出しの 15 分を AI に渡し、空いた時間をこの一言に使う。それが一番効く配分です。
復習ミニクイズ
生成AIを使ってビジネスメールを作成する際、より質の高い文面を作成し、かつ業務上のトラブルを避けるための「最も適切な活用方法」はどれですか?