はじめての生成AI
【業務活用】報告書・レポートの下書きを作成する
書く時間より、書き始めるまでが長い
週報を書こうとして、業務メモは手元にあるのに、最初の一文が出てこない。報告書を書く作業でつらいのは文字を打つことではなく、バラバラの事実をどの順番で並べるかを決めることです。ここで 30 分溶かして、本文は 10 分で書き終わる、ということが普通に起きます。
生成 AI が得意なのは、まさにこの並べ替えです。断片的なメモを渡せば、見出しを立て、結論を前に出し、報告書の形に組み直してくれます。人間は「並べる」役から降りて、「事実を確かめる」役に回れます。
メモを整えてから渡さない
よくある失敗が、AI に渡す前にメモをきれいな文章に直そうとすることです。それでは自分で書いているのと変わりません。箇条書きの走り書きのまま渡して構いません。
代わりに指定するのが出力の形です。誰向けの報告か、どの見出しで区切るか、どんな調子で書くか。この 3 つを添えるだけで、そのまま提出できる下書きが返ってきます。逆に言えば、見出しを指定しないまま頼むと、AI は自分の好きな構成で書き始めるので、社内の書式に合わせ直す手間が後から発生します。
プレーンテキスト
以下の業務メモをもとに、今週の週報の下書きを作成してください。
# 業務メモ
・A 社との商談(10/24)。新製品のデモを実施。感触は良好だが予算面に課題
・B プロジェクトの進捗。設計フェーズ完了、来週から開発。予定より 2 日遅れ
・社内会議。次期マーケティング施策のブレスト。3 つの案が採択された
# 出力形式
・今週の主な成果
・現在の進捗状況と課題
・来週の予定
# トーン
直属の上司への報告用。簡潔で事実に基づいたビジネス的な表現にする読み手を書き添えるのは、丁寧さの度合いを決めるためだけではありません。役員会議用と伝えれば数字と結論だけの構成になり、他部署への共有用と伝えれば前提の説明が増えます。同じメモから、まったく違う報告書が出てきます。
週報のように毎週書くものは、うまくいった依頼文をそのまま保存しておいてください。次からはメモの部分だけ差し替えれば済みます。書き出しに悩む時間が、貼り付けの数十秒に変わります。
渡す前に、固有名詞と金額を伏せる
報告書には、社外に出せない情報が高い確率で混ざっています。取引先の会社名、担当者の連絡先、提示された金額。これらをそのまま入力するのは避けてください。
プレーンテキスト
// 渡してよい形
クライアントの担当部長との商談メモ。新システムの予算は〇〇円との提示を受けた。現場の話 — 「あとで消せばいい」と思って一度入力した情報は、もう外に出た情報です。伏せるのは送信ボタンを押す前しかありません。
伏せ字にしても、報告書の骨格を作る作業には何の支障もありません。AI が組み立てるのは文章の構造であって、固有名詞そのものではないからです。仕上げの段階で、自分の手元で本名と実数に戻します。
そしてもう一点。AI は、渡していない数字やエピソードを、もっともらしく足してくることがあります。出てきた下書きは必ず元のメモと突き合わせ、書いた覚えのない事実が混ざっていないかを確認してください。下書きは AI、責任は人間という線引きだけは動かさないことです。
復習ミニクイズ
生成AIを使って「役員向けのプロジェクト報告書」の下書きを作成する際、精度を高くし、かつ安全に業務を進めるための方法として、最も適切なものはどれですか?