はじめての生成AI
【業務活用】顧客からの問い合わせ内容を分類・整理する
100 件のメールに、人がラベルを貼っている
毎日届く問い合わせを、これは不具合、これは料金の質問、と一件ずつ読んで仕分けする。時間がかかるうえに、担当者によって判断が割れます。同じ内容なのに、人によって「質問」だったり「要望」だったりする状態では、集計しても傾向が読めません。
キーワードで振り分ける従来のやり方も、言い回しの揺れに弱いままでした。生成 AI は文脈を読むので、単語の一致に頼らずに仕分けできます。しかも分類と同時に、書き手の感情や対応の優先度まで一度に判定できます。
カテゴリは自分で決めて渡す
「適当に分類しておいて」と頼むと、AI が毎回違うカテゴリ名を作ります。集計する側からすると、これは仕分けをしていないのと同じです。カテゴリは自分で定義して渡すものです。
定義を書くときの鉄則は 2 つあります。境界が重ならないようにすること。そして、どれにも当てはまらないものを受ける「その他」を必ず 1 つ置くことです。逃げ道がないと、AI は無理やりどこかに押し込みます。
プレーンテキスト
# 指示
以下の「顧客からの問い合わせ内容」を、定義した「分類カテゴリ」に基づいて整理してください。
カテゴリ、感情(怒り/困惑/中立)、優先度(高/中/低)の3つを判定してください。
# 分類カテゴリ
・【不具合】システムが動かない、エラーが出るなどの報告
・【料金】支払い、領収書、プラン変更に関する質問
・【その他】上記に当てはまらない内容
# 顧客からの問い合わせ内容
昨日からログインしようとすると「エラーコード401」が出てマイページに入れません。至急直してほしいです。返ってくるのは「カテゴリ → 不具合、感情 → 困惑、優先度 → 高」という判定です。「至急」という語に反応しているのではなく、ログインできず業務が止まっているという状況から優先度を出しています。エラーコードのような手がかりも、同時に抜き出させることができます。
お手本を 3 件見せると、精度が変わる
業界特有の言い回しが多いと、定義文だけでは判断が揺れます。そこで正解の例をいくつか添えます。「『パスワードを忘れた』は【ログイン関連】」のような組を 3 件から 5 件並べるだけで、以降の判定が安定します。この手法を Few-shot と呼びます。
添える例は、迷いやすいものを選んでください。誰が見ても明らかな例をいくら並べても効果は薄く、境界にある事例こそが基準を伝えます。過去に担当者どうしで判断が割れた案件があれば、それが最良の教材です。
表で出させて、そのまま貼る
出力形式を「Markdown の表で」と指定すると、結果をそのままスプレッドシートに貼れます。過去分をまとめて処理するときは、この一手間で転記作業が丸ごと消えます。優先度の列で並べ替えれば、その日に先に触るべき案件がすぐ分かります。
一方で、氏名や電話番号をそのまま渡すわけにはいきません。件数が多いと手作業では消しきれないので、投入前の置換を仕組みにしておきます。表計算の関数や正規表現で、電話番号を [TEL]、メールアドレスを [EMAIL] に置き換えてから渡す。この前処理を最初に作っておけば、あとは何件でも同じ手順で流せます。
復習ミニクイズ
生成AIを使って、独自の専門用語が含まれる大量の問い合わせ内容を正確に分類し、その結果をスムーズにExcelで管理したい場合、最も適切なアプローチはどれですか?