はじめての生成AI
ChatGPTの回答が長すぎるときの短くするプロンプト
この回でやること
ChatGPTの回答が長すぎて読みづらい時に、短く要点だけ受け取るプロンプトのコツを解説。文字数制限・箇条書き指定・前置き省略など、すぐ使える指示の出し方を紹介します。
- 読む 約 7 分
- 最後にクイズ 1 問
長い回答が返ってきてしまった、その後で
聞くときに「3 行で」と数字を添えれば長文は防げます(後半の節で扱います)。とはいえ現実には、指定を忘れたまま送信してしまい、画面いっぱいの回答が返ってきてから困ることの方が多いはずです。
このとき、最初から質問をやり直す必要はありません。AI は直前のやり取りを覚えているので、返ってきたものに注文を付ければ済みます。
良い例
プレーンテキスト
長いので、要点だけ3つにまとめて
これだけで、いま画面に出ている回答を材料にした短い版が出てきます。ゼロから作り直させるのではなく、目の前のものを削らせているわけです。「中学生でも分かるように 140 文字で要約して」「結論だけ教えて」も同じ働きをします。うまく削れなかったら、もう一度「もっと短く」と送れば、さらに縮みます。
要約させても元の長い回答は消えません。上にスクロールすれば残っているので、削りすぎたと感じたら見に戻れます。捨てる心配をせずに、思い切り短くさせて構いません。
邪魔なものを名指しで消す
分量を削っても、まだ読みにくいことがあります。多くの場合、犯人は中身ではなく前置きです。「承知いたしました」「〜について解説します」「ご参考になれば幸いです」。これらは情報を持っていないのに行数を使い、本題の開始を後ろへずらします。
そこで、書いてほしくないものを名指しします。
良い例
プレーンテキスト
導入の挨拶と結びの言葉は不要です。手順だけを箇条書きで書いてください
「何を書くか」ではなく「何を書かないか」を伝えるこの指定を、ネガティブプロンプトと呼びます。分量を削る指定と違って、こちらは中身を減らしません。要点は全部残したまま、包装だけを外せます。「専門用語の解説は省いて」「背景の説明は抜きにして」も同じ形です。同じ相手と長く付き合うほど、決まって出てくる余計な部分が見えてくるので、この一言の効き目も上がっていきます。
削る順番を決めておく
長い回答を前にしたとき、どこから手を付けるかは、何が冗長なのかで決まります。
- 全体が長い ときは分量を数字で指定し直す
- 話があちこちに散る ときは箇条書きか表の形を指定する
- 前置きばかり長い ときは挨拶や決まり文句を名指しで除外する
どれも 1 行で済む注文です。
毎回同じ注文を打つのが面倒になったら、その指示は設定の側に移せます。カスタム指示に「前置きは書かない」と一度書いておけば、以降のすべての会話に効きます。ただし、いつも短くしてほしいわけではないはずなので、まずは会話ごとに指定して、本当に毎回必要だと分かったものだけを設定へ移すのが安全です。
上から順に試して、足りなければ次を重ねます。3 つ全部を最初から書く必要はありません。長い回答が返ってきたこと自体は失敗ではなく、材料が多めに手に入った状態です。そこから自分の要る分だけを取り出せば済みます。
「もっと短くして」と何度も頼むのは、わがままではなく普通の使い方です。1 通目で当てにいく必要はありません。何度でも削らせて構いませんし、AI の側が疲れることもありません。
最初から、長さと形を決めて聞く
回答の長さは、聞く前にも、返ってきた後にも直せます。ここまでは返ってきた後の直し方でした。聞く前に効くのは、数字を添えることです。「短くして」は、半分にすればいいのか 3 行にすればいいのか基準が無いので、AI は少しだけ削って返してきます。
良い例
プレーンテキスト
東京観光のおすすめスポットを5つ、箇条書きで教えて
「5 つ」と切ると、AI は思いついた候補から上位 5 つを選ぶ作業をします。単に短く書かせているのではなく、優先順位を付けさせているわけです。
数字は次の 3 か所に置けます。どれか 1 つでも効きます。
- 項目の数 は「メリットを 3 つ」「候補を 5 案」
- 分量 は「3 行で」「100 文字以内で」
- 手順の粒度 は「5 つのステップに分けて」
3 つは重ねられます。「メリットを 3 つ、それぞれ 1 行で」と書けば返ってくる形がほぼ固定されるので、毎回同じ形で受け取りたい調べものに向いています。厳密な文字数は AI の苦手分野で、100 文字と指定して 130 文字で返ってくることもありますが、指定しない場合よりは近くに着地します。分量の指定は文の最後に置くと効きやすく、「東京観光のおすすめを教えて。箇条書きで 3 つ。」の形が目安です。
逆に短すぎるときは、書く場所を渡す
「日本の歴史について教えて」と聞いたら数行で終わった、という逆の場合も原因は同じで、どこまで書けばいいのかを AI が知らないせいです。質問が一言だけだったときや、こちらの知識のレベルを書かなかったときは、AI は概要だけ知りたいのだろうと判断し、迷ったら短いほうを選びます。
代わりに、書いてほしい項目そのものを渡します。
良い例
プレーンテキスト
プログラミングの学習方法について、 1. 準備するもの 2. 学習サイトの選び方 3. 挫折しないコツ の3つの章立てで詳しく書いてください
見出しを渡すと、AI はその一つひとつを埋める義務を負います。どこを厚くするかを推測させるのをやめ、こちらで決めてしまうわけです。ほかにも、「メリットだけでなくデメリットも」と観点を足す、「小学生にも分かるように」「専門家向けのレポート形式で」と読者を指定する、「800 文字程度で」と分量の目安を添える、といった手が効きます。短くさせるときと同じ道具を逆向きに使っているだけです。思ったより短かったときは、渡した枠が足りないと考えて、項目を増やしてみてください。
途中でぷつりと切れたときは、続きの場所を伝える
依頼した記事がいい調子で生成されていたのに、文の途中で止まることがあります。エラーは出ていません。これは故障ではなく、ChatGPT には一度の回答で出せる長さの上限があり、そこに達すると文の途中でも生成を打ち切るためです。
AI は文章を「トークン」という単位に分けて処理しています。英語は 1 単語がおよそ 1 トークンですが、日本語は 1 文字あたり 1〜2 トークン程度を消費しやすく、同じ内容でも日本語のほうが上限に早く届きます。長い記事、長編の物語、まるごと 1 ファイル分のコードを頼んだときに切れやすいのはこのためです。
止まったとき、まず探すのはチャット欄の上に出る「生成を続行」ボタンです。押すだけで AI が直前の文脈を読み取って続きを書きます。ボタンが出ないときは自分で促します。
プレーンテキスト
「〜という理由か」の続きから、執筆を再開してください。 冒頭から書き直す必要はありません。
毎回続きを頼むのは手間なので、長いものは最初から分けて頼みます。「AIの歴史についての記事を 3,000 文字で書いて」と一度に頼むより、「まず目次だけ作ってください」に続けて「第 1 章の本文だけを書いてください」と進めるほうが、切れないうえに各章に集中するぶん中身も濃くなります。