はじめての生成AI
生成AIを使う前に知っておくべき3つの心構え
AIが書いた文章を、内容を確かめずに提出してしまう。存在しない観光地を目的地にして旅行の計画を立てる。理解しないままコードを実行してシステムを壊す。どれも初心者がやりがちな失敗ですが、原因は使い方ではなく、向き合い方です。使い始める前に決めておくことが三つあります。
一つ目は、出典を聞く癖をつけること
AIは確率的に次の言葉を選んでいるだけなので、事実と違う内容を自信満々の口調で書きます。ハルシネーションと呼ばれる現象で、最新のニュース、専門的な法律や医療の話、個人のプロフィールで特に起きやすくなります。
疑う勇気を持て、という精神論では止まりません。具体的な動きに落としてください。
- 重要な事実は、公的機関のサイトや一次情報で裏を取る
- AIに「その情報の根拠と出典は何ですか」と追加で聞く
- 自分が詳しい分野から使い始めて、どこで間違えるかを肌で掴む
三つ目が特に効きます。知らない分野から始めると、間違いに気づけないので学習になりません。
二つ目は、丸ごと任せず、工程を切って渡すこと
AIを「答えを出す主体」だと思うと期待外れになります。明確な目的と指示がなければ動かない道具です。うまくいくのは、仕事を工程に切って一部だけ渡すやり方です。
明日プレゼン資料を作るとして、任せられるのは次のあたりです。構成案を一緒に考える。専門用語をわかりやすく言い換えてもらう。書いた文章の誤字脱字を見てもらう。タイトル案を十個出してもらう。この部分的な活用の積み上げが、丸投げより確実に速いです。
指示は役割と条件を添えると精度が上がります。
プレーンテキスト
避けたい例
夕飯の献立を教えて。
良い例
あなたはベテランの料理研究家です。冷蔵庫にある卵と玉ねぎで、
10分で作れる子供向けの料理を3つ提案してください。一回で理想の答えが出なくても構いません。「もう少し詳しく」「もっと短く」と続けるほうが、完璧なプロンプトを一発で書くより早く着きます。
下書きを作らせるところまではAIの担当ですが、それを世に出してよいかを決めるのは自分です。この線を引いておけば、AIに仕事を取られるのではなく、AIで自分の手数を増やす側に立てます。
三つ目は、渡してよい情報かを先に決めること
入力した内容は、設定によってはAIの学習に使われます。一度学習されたデータを取り消すのはほぼ不可能です。
判断に迷ったら、駅前の掲示板に貼られても平気かを自問してください。引っかかるなら、固有名詞と数字をぼかしてから入力します。名前、住所、電話番号、マイナンバーといった個人情報、未発表のプロジェクトや顧客リスト、社外秘の会議資料は入れません。
多くのサービスには、入力を学習に使わせないオプトアウト設定や履歴オフ機能があります。まずそこを確認してください。ただし設定を過信せず、漏れて困る情報は書かないという線を自分で持っておくことが、結局いちばん確実です。
疑う、任せきりにしない、渡す情報を選ぶ。この三つが揃っていれば、あとは気楽に試して構いません。今晩の献立の相談でも、読書感想文の構成案でもよいので、間違っていても実害のないテーマから始めてください。恐れすぎず、かといって過信せず、というのはこの三つを守ることの言い換えです。
復習ミニクイズ
生成AIを使って仕事の企画書を作成する際、このレッスンの「3つの心構え」に基づいた最も適切な行動はどれですか?