はじめての生成AI
【業務活用】長文レポートを3行で要約させる方法
30 ページを読み終える頃には、会議が始まっている
数十ページの調査レポート、部署をまたぐ週次の進捗報告、1 時間ぶんの講演の書き起こし。全部に目を通していると、肝心の「それでどうするか」を考える時間が残りません。
生成 AI に要約させると、読む時間がそのまま判断する時間に置き換わります。ただし「3 行にまとめて」とだけ頼むと、どこにでもある薄い 3 行が返ってきます。何を残して何を捨てるかの基準を、まだ渡していないからです。
誰が何のために読むかを書くと、捨てる基準ができる
要約の質を決めるのは圧縮率ではなく、読み手の設定です。同じレポートでも、役員が 30 秒で判断するための 3 行と、担当者が明日の作業に入るための 3 行では、残すべき情報がまったく違います。
プレーンテキスト
# 指示
以下のレポートを読み、多忙なマネージャーが30秒で内容を把握できるよう、
重要なポイントを3つの箇条書きで要約してください。
# 制約条件
・1項目あたり50文字以内にすること
・「結論」「根拠」「今後の課題」の視点でまとめること
・専門用語は一般的な言葉に言い換えること
# レポート内容
[ここに長文テキストを貼り付ける]返ってくるのは「結論 → 国内市場は前年比 12% 縮小したが、法人向けは横ばい」という 1 行目で、以下に根拠と課題が続きます。
この 3 行が読み手の手元に届けば、レポート本体を開くかどうかを自分で決められます。要約の役割は、原文の代わりになることではなく、原文を読むべきかを判断させることです。
視点の指定を変えると、同じ資料から別のものが出ます。市場調査なら「自社にとっての機会と脅威を明確にして」。進捗報告なら「遅延リスクがある項目と、承認が必要な事項を最優先で抽出して」。講演の書き起こしなら「登壇者が最も強調していた主張と、具体的な助言を 3 点で」。目的に直結する一行を足してください。
長すぎて入らないときは、章ごとに分ける
一度に渡せる分量には上限があります。超えたとき、AI は「入りませんでした」とは言いません。後半を読み落としたまま、それらしい要約を返してきます。全部読んだかどうかは出力からは判別できないので、長いものは最初から分けて渡します。
手順は 3 段です。まず目次や見出しだけを渡して全体の構成を出させる。次に章ごとに要約させる。最後にその要約をまとめて 3 行にする。手間は増えますが、抜けは起きません。
専門性の高い文書では、前提知識を先に渡しておくと精度が上がります。その分野の基本用語を数行で説明してから本文を渡すだけで、要点の選び方が変わります。
書かれていない数字が混ざる
生成 AI は、本文にない内容を推測で補うことがあります。特に混ざりやすいのが数値です。文章として自然に読めてしまうので、要約を読んだだけでは気づけません。
確かめ方は単純です。要約に出てきた数字を、元の文書内でそのまま検索してください。見つからなければ、AI が作った数字か、単位を書き換えた数字です。日付と固有名詞も同じやり方で確かめられます。この 3 つさえ潰しておけば、要約をそのまま人に渡せます。
復習ミニクイズ
生成AIを活用して、ビジネスで即戦力となる精度の高い「3行要約」を作成する際、プロンプトに含めるべき工夫として最も適切なものはどれですか?