はじめての生成AI
音声AI入門:文字起こしと音声合成の活用法
1 時間の会議に、3 時間の議事録
会議そのものより、その後の議事録づくりのほうが長い。録音を聞き返しては止め、少し戻して打ち直す。この往復に半日が消えることがあります。
音声 AI は、この作業の担当を交代してくれます。人が話した音を解析して文字にするのが文字起こし、逆にテキストを人の声のように読み上げるのが音声合成です。前者で入力の手間を、後者で出力の手間を減らせます。
昔の音声認識は、少し騒がしいだけで誤変換だらけになりました。いまのものは前後の文脈を見ながら変換するので、多少の言い間違いや言い直しも自然に処理してくれます。ここが実務で使えるようになった分かれ目です。
文字起こしの後に、もう一手間かける
文字起こしにかけただけのテキストは、そのままでは読めたものではありません。「えー」「あのー」が残り、話が行きつ戻りつし、誰の発言かも混ざります。ここで多くの人が「思ったより使えない」と諦めます。
本番はこの後です。生のテキストをチャット型の AI に渡して、整形まで任せます。
プレーンテキスト
あなたは会議の書記です。以下の文字起こしから
1. 決定事項
2. 次にやること(担当者を含む)
を抜き出して、箇条書きで整理してください。「まとめて」ではなく、何を抜き出すのかを名指しするのが要点です。音を文字に変える道具と、文字を書類に変える道具は別物で、両方つないで初めて議事録になります。
出てくる精度は、入り口の音質でほぼ決まります。マイクを話し手に近づける、静かな部屋で録る。この 2 つだけで、誤変換はかなり減ります。話し手が複数いる会議なら、発言の頭に名前を言う運用にしておくと、後の整形がぐっと楽になります。
声を作れるようになって、増えた注意点
音声合成のほうは、抑揚も息づかいも人に近くなりました。マニュアルの PDF を読み上げさせて移動中に聞く、解説動画のナレーションを自分の声を出さずに作る、日本語の原稿を訳して海外向けに読ませる。使い道は広がっています。
一方で、気をつける点も増えました。
- 他人の声を無断で複製して公開することは、権利の侵害になる恐れがあります。ツールの規約と、声の持ち主の同意を必ず確認してください
- クラウド型のサービスに録音を送ると、音声データが手元を離れます。機密を含む会議を扱うなら、学習に使われない設定になっているか、勤務先の規則で許されているかを先に確認してください
- 文字起こし AI は、聞き取れなかった部分を文脈から推測して埋めることがあります。専門用語と固有名詞、それに数字は、書類にする前に人が聞き直してください
短いメモから始める
いきなり 1 時間の会議で試すと、うまくいかなかったときに原因が分かりません。まずはスマートフォンの録音で 2 分ほど話し、それを文字にして、チャット型の AI に整形させる。ここまでを一度通してみてください。
音質でどれくらい変わるか、どんな指示だと整形がうまくいくか。この感覚さえつかめれば、あとは録音の長さを伸ばすだけです。慣れてきたら、整形した文章をそのまま音声合成に読ませてみてください。話した内容が書類になり、書類がまた声になる。この一周を体験しておくと、どの工程を自動にしてどこに人が残るかが見えてきます。
復習ミニクイズ
AIを活用して会議の議事録作成を劇的に効率化したい場合、レッスンで推奨されている「AI連携」の最も効果的なステップはどれですか?