はじめての生成AI
AIに「役割」を与えると回答が変わる:ペルソナ設定の基本
返ってくるのが、当たり障りのない正論ばかり
「新社会人へのアドバイスを教えてください」と聞くと、AI は「挨拶を大切に」「報連相を欠かさず」といった、どの本にも書いてある答えを返します。間違ってはいないのですが、これを読んで明日の行動が変わる人はいません。
AI はインターネット上の膨大な文章を学んでいます。誰の立場で答えるかを指定しないと、その全部を平均した答え、つまり百科事典のような文章になります。ここで効くのが、たった 1 行の役割の指定です。
「あなたは〜です」を先頭に置く
書き方は簡単です。プロンプトの冒頭に 1 文を足すだけです。
良い例
プレーンテキスト
あなたは外資系コンサルティングファームで20年勤務するベテランマネージャーです。 新社会人が最速で成果を出すために意識すべきポイントを3つ教えてください。
質問の中身は変えていないのに、返ってくる話の重みが変わります。20 年の経験を持つ人が話す前提になるので、AI は建前を並べるのをやめ、優先順位のついた話を選ぶようになります。
役割は、具体的であるほど効く
「先生として」「専門家として」では、まだ広すぎます。役割は絞るほど視点が定まります。
| 指定するもの | 弱い書き方 | 効く書き方 |
|---|---|---|
| 役割 | 先生として教えて | プログラミング歴20年のベテラン講師として教えて |
| 話し方 | 優しく答えて | 幼稚園児にも分かる、噛み砕いた言葉で答えて |
| 見る角度 | 専門家として見て | セキュリティの専門家として、この文章の危ない箇所を厳しく指摘して |
左の列も間違いではありません。ただ、AI から見ると当てはまる人が多すぎて、結局また平均を取ることになります。右の列のように業種や年数や立場まで書くと、AI が参照する範囲がぐっと狭まり、その狭い範囲の言葉づかいで書き始めます。
慣れてきたら、経験年数、性格、誰に向けて話すのか、を足していきます。ただし最初から全部を書こうとしなくて構いません。「あなたはプロの〇〇です」の 1 行から始めて、返ってきた答えを見ながら足りない条件を継ぎ足すのが早道です。
あえて、味方でない役割を与える
役割の面白いところは、自分に都合の悪い意見を出させられることです。人に頼むと気を遣われて本音が出てこない場面でも、AI なら遠慮なく厳しい役をやってくれます。
良い例
プレーンテキスト
あなたはシリコンバレーの投資家です。 これから私が説明するビジネスプランについて、批判的な視点からリスクや欠陥を5つ指摘してください。遠慮は不要です。
指定するのは職業だけではありません。「遠慮は不要です」の一言も、実は役割の一部です。これが無いと、AI は指摘の後に必ずフォローを入れて、結局どこが問題なのか分かりにくくなります。
自分のアイデアに自信がないとき、褒めてくれる相手より、穴を指摘してくれる相手の方が役に立ちます。厳しい批評家、一流誌の編集長、話を否定しないカウンセラー。いま欲しいのが賛成なのか点検なのか慰めなのかで、与える役割を選び分けてください。
復習ミニクイズ
プログラミング初心者が挫折しないための学習法をAIに聞く際、最も具体的で効果的な「ペルソナ設定」を含むプロンプトはどれでしょうか?