はじめての生成AI
ChatGPTで「新しいチャット」を始めるタイミング
この回でやること
ChatGPTで新しいチャットを始める最適なタイミングを徹底解説。トピックを切り替える重要性や、コンテキスト(文脈)の混ざりによる誤回答を防ぐテクニックなど、生成AIを使いこなすための基本スキルを身につけましょう。
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- 最後にクイズ 1 問
午前中に夕食の献立を相談したチャットで、午後にそのまま企画書の構成を頼む。よくやってしまう使い方ですが、返ってくる答えはたいてい微妙になります。ChatGPT は同じチャットの中では過去のやり取りを毎回読み直してから答えているので、関係のない話が混ざるほど、いま聞きたいことの比重が下がっていきます。
「新しいチャット」を押すのは、AI にとってのリセットです。押すべきかどうかは、次の 2 つで判断できます。
話題が変わったら、迷わず分ける
いちばん分かりやすい基準です。旅行の計画を相談していたチャットで Excel の関数を聞くと、AI は直前まで旅行の話をしていた前提のまま答えようとします。
役割を切り替えたいときも同じです。「プロの編集者として読んでください」と頼んだチャットで、途中から「トレーニングの相談に乗ってください」と言い直すより、別のチャットを立てたほうが、それぞれの答えが濃くなります。話題ごとに専用の相談窓口を作るイメージです。
同じ仕事の中でも、作業の性質が変わったら分けたほうがうまくいきます。企画のネタ出しでは、まず数を出すために外れ案も含めて大量に書かせます。そのまま同じチャットで企画書の清書に入ると、ボツにしたはずの案が言い回しの中に残り続けます。採用した案だけをコピーして新しいチャットに貼り直すと、余計なものが混ざりません。
回答が崩れてきたら、その会話を捨てる
やり取りが長くなると、さっき出した条件を忘れる、前と矛盾したことを言う、といったことが起き始めます。AI が一度に読める分量の限界に近づいているサインです。
このとき、同じチャットで「さっきの条件を守ってください」と言い足しても、たいてい良くなりません。読ませる文章がさらに増えるだけだからです。必要な情報だけをコピーして新しいチャットに貼り直すと、驚くほどあっさり解決します。捨てるのは会話であって、成果ではありません。
逆に、分けないほうがよいとき
新しいチャットが常に正しいわけではありません。同じ話題を掘り下げているあいだは、分けないでください。
「さっきの案をもう少し具体的にしてください」「3 つ目だけ別の切り口で書き直してください」という短い指示が通るのは、前のやり取りが残っているからです。ここで新しいチャットに移ると、前提を全部書き直すことになり、かえって精度が落ちます。
ちなみに、新しいチャットを開いても前の会話が消えることはありません。サイドバーにそのまま残っているので、いつでも戻って続きを頼めます。分けるのをためらう理由は、実はどこにもありません。
覚え方はこれだけです。話が続いているなら同じチャット、話が変わったか、噛み合わなくなったなら新しいチャット。この 2 択で、回答の質はかなり安定します。
移る前に、同じチャットの中でやり直す
新しいチャットに移らなくても、直せる場面は多くあります。回答が惜しいとき、つい入力欄に「もう少し柔らかく」「あと 300 字以内で」と注文を足していきますが、会話が伸びるほど AI から見た指示は矛盾を含んだ長い文章になり、噛み合わなくなります。やり直しの道具は 2 つで、回答だけを作り直させる再生成と、自分の指示そのものを書き換える編集です。
回答の下にある更新のアイコンを押すと、同じ指示のまま書き直してくれます。言い回しや構成が好みと違うだけで指示は間違っていないとき、キャッチコピーのように案を並べて比べたいとき、通信の都合で回答が途中で止まったときに向いています。
指示に抜けがあったなら、編集の出番です。自分が送ったメッセージにマウスを乗せると鉛筆のアイコンが出て、文章を書き換えて送り直せます。条件を後から足すと、AI は最初の指示と追加の注文の両方を読んで折り合いをつけようとします。最初から正しい指示 1 本に直せば、答えのぶれも小さくなります。
避けたい例
プレーンテキスト
(1つ目)美味しいカレーの作り方を教えて (2つ目)あ、言い忘れましたが、スパイスから作る方法でお願いします
良い例
プレーンテキスト
(1つ目を編集)美味しいカレーの作り方を、スパイスから作る手順で教えて
編集や再生成をしても、前の回答は消えていません。脇に「2 / 2」のような表示が出ていれば、矢印で前のバージョンに戻せます。ただし、編集したメッセージより後のやり取りは、新しい枝には引き継がれません。 10 往復した会話の 3 往復目を書き換えると、そこから先は作り直しです。大きく方向を変えるなら、新しいチャットを立てたほうが分かりやすくなります。運を変えたいなら再生成、前提を変えたいなら編集、と使い分けてください。
同じ回答が繰り返されるとき
企画案を出してもらっていたら、3 回目あたりから同じ話が戻ってきた。「もっと詳しく」と押しても、同じ段落が形を変えて出てくるだけ。これはループ現象と呼ばれるもので、AI の不調ではありません。こちらの指示が同じ場所を指し続けているか、会話が長くなって直近の言葉が強く効きすぎているかのどちらかです。
「もう一度」「もっと詳しく」は、AI から見ると前と同じ依頼なので、同じ答えが返ってきます。抜け出すには、求める角度そのものを変えます。
- 「メリットではなく、デメリットに絞って挙げてください」
- 「専門用語を使わず、小学生に説明するつもりで書いてください」
- 「箇条書きをやめて、失敗した人の話として書いてください」
視点、読み手、形式のどれかを動かすと、新しい内容が出てきます。範囲を「予算 5 万円以内でできる案だけを 3 つ」のように狭めるのも効きます。それでも戻ってくるなら、禁止をそのまま伝えます。
プレーンテキスト
ここまでの回答に出た内容は繰り返さず、新しい案だけを3つ挙げてください。 前置きと結論のまとめも不要です。
前置きや締めのまとめは、AI が毎回自動で足しがちな部分です。ここを禁止するだけでも、同じ文章の再生産がかなり減ります。それでも直らなければ、前の節と同じく新しいチャットに移ります。ここで、ここまでの会話を全部コピーしないのがコツです。必要な前提だけを 3 行ほどにまとめて貼り直してください。同じ言葉をまるごと持ち込むと、同じループを新しい部屋で再開することになります。