問3 耐量子計算機暗号 PQC

情報処理​安全確保​支援士 令和7年度 秋期 午前II、全25問のうちの問3。

出典:令和7年度 秋期 情報処理安全確保支援士試験 午前II 問3

PQC(Post-⁠Quantum Cryptography)はどれか。

  1. ア量子コンピュータを使うことによって,従来のコンピュータを使うときと比べて暗号化の処理速度を飛躍的に向上させることができる暗号技術
  2. イ量子コンピュータを使うことによっても従来のコンピュータを使うことによっても,暗号化の処理に掛かる処理時間を一定にできる暗号技術
  3. ウ量子コンピュータを使った攻撃では,従来のコンピュータを使った攻撃と比べて解読時間が大幅に短くなる可能性のある暗号技術
  4. エ量子コンピュータを使った攻撃に対しても従来のコンピュータを使って安全性を確保できる暗号技術
答えと解説を開く

正解はエです。

PQC は「量子コンピュータの後の時代の暗号」という意味で、量子コンピュータを使って解こうとしても安全なように設計された暗号です。暗号を使う側は量子コンピュータを持つ必要がなく、今のコンピュータで動きます。エがこの説明に当たります。

ほかの選択肢が違う理由

  • アPQC は暗号化を速くする技術ではありません。量子コンピュータを暗号化に使う前提もありません。
  • イ処理時間を一定にするのは、処理時間の差から秘密を読み取られないための実装の工夫です。PQC の定義とは関係がありません。
  • ウ量子コンピュータで解読が大幅に速くなるおそれがあるのは、RSA 暗号や楕円曲線暗号のような今の公開鍵暗号です。PQC はこれを置き換えるための暗号です。

仕組み

RSA 暗号や楕円曲線暗号は「大きな数の素因数分解や離散対数は、計算に時間がかかりすぎて現実には解けない」ことを安全の根拠にしています。十分に大きな量子コンピュータができると、この計算が現実的な時間で解けるおそれがあります。

PQC は、格子の問題のように量子コンピュータでも速く解けないと考えられている問題を根拠にします。米国の NIST は 2⁠0⁠2⁠4 年に最初の標準を出しました。今のうちに盗んだ通信を後で解く攻撃を考え、長く守るデータから置き換えを進めます。

量子の性質そのものを使って鍵を配る量子鍵配送とは別物です。混同に気をつけます。

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