2015年5月8日、日本年金機構の職員が標的型メールのリンク先を開き、端末が不正プログラムに感染した。NISCがこの通信を検知し厚生労働省を通じて連絡したが、機構は解析結果から一旦収束したと判断し、送信元メールアドレスの受信拒否などの対策を取らなかった。5月18日と20日にも標的型メールが届き、複数の職員が添付ファイルを開封したが、情報セキュリティ担当部署はこの事実を把握できなかった。
20日に感染した端末で攻撃者が管理者権限を奪い、同じパスワードを使っていた複数の端末に感染を広げた。個人情報を保管していた共有ファイルサーバはインターネットに接続された環境にあり、一部はパスワードも設定されていなかった。5月21日から23日にかけて、このサーバにあった個人情報が外部のサーバへ送られた。
5月28日、警察から機構の情報とみられるデータを発見したとの連絡があり流出が判明し、29日に機構全体のインターネット接続を遮断した。6月1日に事案を公表し、6月4日にはメール送受信専用の外部回線も遮断した。流出した個人情報は約125万件で、対象者は約101万人にのぼった。