AI駆動開発とは。確かめ方を先に決めて、AIに書かせる

AIに書かせるほど、何をもって「できた」とするかが大事になります。言葉の意味から、テストを先に書いてAIに作らせる最小の例、よくあるつまずき、作れる人に来る仕事まで、1頁で順に見ていきます。

文 ゆめさく ・ 2026年10月23日

AI駆動開発とは

AI駆動開発は、人が「何を作るか」と「できたかどうかの確かめ方」を先に決め、コードを書く手の多くを AI エージェントに任せる進め方です。AI が書いた物は、人が差分を読み、テストを回して受け取ります。

似た言葉と並べると、違いは「誰が書くか」より「誰が確かめるか」にあります。

  • コードの補完。 AI は書きかけの行の続きを出し、人はほとんど全部を自分で書きます
  • AI駆動開発。 AI はファイルを読み、書き、テストを回します。人は仕様と確かめ方を決め、差分を読みます
  • 任せきり。 AI は言われた物をそれらしく作り、人は動いたように見えたら受け取ります

3 つ目の「任せきり」は速く見えますが、間違いに気づく手段がありません。AI駆動開発は、2 つ目の形を崩さないための手順です。

ここが大事

AI に任せるのは「書く手」で、「できたかどうかの判断」は人が持ちます。判断の物差しを先に作るのが、AI駆動開発のいちばん大事な所です。

回し方は 4 つの手順

  1. 仕様を言葉で書く。何を入れたら何が返るか。例外のときにどうなるか
  2. 確かめ方をテストで書く。仕様の各行を、通るか落ちるかで判定できる形にする
  3. AI に書かせる。 「テストが通るように作って。テストは変えないで」と頼む
  4. 差分を読み、テストを回す。頼んでいない変更が混ざっていないか、テストを書き換えていないかを見る

手順 2 と 4 が人の仕事です。ここを省くと、AI がテストのほうを直して「通りました」と返すことがあります。

手を動かす最小の例

税込みの合計を出す関数を、テストを先に書いて AI に作らせます。用意する物は Node.js (20 以上) と git と Claude Code です。ほかの AI エージェントでも同じ流れで進められます。Claude Code の入れ方は Claude Code の頁にまとめています。

1 作業の場所を作る

ターミナル

mkdir ai-driven-demo
cd ai-driven-demo
git init

2 仕様をテストで書く

price.test.mjs という名前で保存します。仕様は 4 行です。税込みは 10%、1 円未満は切り捨て、かごが空なら 0 円、数量がマイナスならエラー。

JavaScript

import { test } from "node:test";
import assert from "node:assert/strict";
import { totalPrice } from "./price.mjs";

test("税込みの合計を返す", () => {
  assert.equal(totalPrice([{ price: 1000, qty: 2 }]), 2200);
});

test("1円未満は切り捨てる", () => {
  assert.equal(totalPrice([{ price: 333, qty: 1 }]), 366);
});

test("かごが空なら0円", () => {
  assert.equal(totalPrice([]), 0);
});

test("数量がマイナスならエラー", () => {
  assert.throws(() => totalPrice([{ price: 100, qty: -1 }]));
});

テストを先にコミットしておくと、あとで AI がテストを書き換えたときに git diff ですぐ分かります。

ターミナル

git add price.test.mjs
git commit -m "仕様をテストで書く"
node --test

この時点では price.mjs が無いので、テストは落ちます。落ちることを先に見ておくのが大事です。最初から通るテストは、何も確かめていないかもしれません。

3 AI に書かせる

ターミナル

claude "price.test.mjs が通るように price.mjs を作って。テストは変えないで"

ゆめさくで 2026 年 10 月 23 日に試したときは、次のような price.mjs が返ってきました。中身は AI と頼み方で変わります。

JavaScript

export function totalPrice(items) {
  let subtotal = 0;
  for (const { price, qty } of items) {
    if (qty < 0) throw new RangeError("qty must not be negative");
    subtotal += price * qty;
  }
  return Math.floor((subtotal * 110) / 100);
}

4 差分を読み、テストを回す

ターミナル

git status
git diff
node --test

見る所は 3 つです。

  • git status に出るのが price.mjs だけか。テストのファイルが変わっていないか
  • 頼んでいない処理 (ログの出力、別のファイル) が足されていないか
  • node --test の結果に pass 4 と fail 0 が出ているか

全部そろったら、自分の言葉でコミットします。AI エージェントが中でどう動いているかは、AIエージェントの作り方で 50 行ほどのコードにして見せています。読んで納得した物だけを受け取る、が AI駆動開発の 1 周です。

よくあるつまずき

よくあるエラーと解決法

AI がテストを書き換えて「通りました」と言う

頼み方に「テストは変えないで」を入れ、テストは先にコミットしておきます。git diff にテストのファイルが出たら、その変更は受け取りません。

よくあるエラーと解決法

1 回に頼む量が大きすぎて、差分が読めない

差分が数百行になると、読まずに受け取るのと変わらなくなります。頼みごとは、自分が10分で読める大きさに切ります。

よくあるエラーと解決法

仕様があいまいなまま頼み、それらしい別物ができる

「いい感じに」は AI にとっても決められません。入力と出力の例を 2 つ 3 つ書くだけで、返ってくる物がそろいます。

よくあるエラーと解決法

エラーを貼るだけで、原因を読まない

エラーの文を AI に貼れば直してくれますが、同じ所で何度も止まります。直ったあとに「何が原因だったか」を 1 行で言えるかを確かめます。

作れる人に来る仕事

AI駆動開発で小さな物を確かめながら作れるようになると、次のような仕事の入り口が見えてきます。ここに並べるのは仕事の種類と公開の数字で、だれかが受け取れる額の約束ではありません。

  • 社内の小さな道具 (集計、申請の画面)。 AI は画面と処理を書き、人は何を自動にするかと、間違えたときの戻し方を決めます
  • LP や Web の頁。 AI は組みと動きを書き、人は伝える中身と表示の確かめを受け持ちます
  • 決まった作業を自動にする仕組み (表計算、定型の連絡)。 AI は手順をコードにし、人は例外の扱いと止めてよい条件を決めます

公開の数字

クラウドワークスの公開の仕事検索で、2026 年 10 月 23 日に次の語を調べた件数です。語が募集の文に入っている物の数で、講師やインタビューの募集も混じります。報酬は募集ごとの幅が大きく、1 つの相場にはまとまりません。

検索した語件数
AI駆動開発167 件
Claude Code736 件
業務自動化546 件
LP制作2,455 件

会社に雇われて働く人の数字もあります。厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」(2025 年 3 月 17 日公開) で、職種が「ソフトウェア作成者」の人の平均は、毎月の給与 (残業代を含む) が 38.6 万円、年間の賞与などが 110.7 万円でした。平均年齢は 38.0 歳、平均の勤続は 10.7 年です。勤めて 10 年ほどの人を中心にした平均で、学び始めた人や副業の人の額ではありません。

最初の一歩は、作った物を人に見せられる形にすることです。動く URL と、テストつきのリポジトリがあれば、何ができるかを言葉より速く伝えられます。

よくある質問

Q. AI駆動開発にプログラミングの知識は要りますか

要ります。書く手は AI に任せられても、差分を読んで良し悪しを決めるには、コードを読む力が要ります。読む力は、小さな物を自分で書いた量で育ちます。

Q. どの AI エージェントを使えばよいですか

この頁の流れは、Claude Code でも Codex でも同じです。違いを知りたいときは、Claude Code と Codex を比べた頁を見てください。

Q. テストを書くのが難しいときは

テストの下書きを AI に頼んでもかまいません。ただし、そのテストが仕様どおりかは自分で読みます。テストまで任せると、確かめる人がいなくなります。

出典

あわせて見る

ゆめさくコードでできること

最終確認例を手元で動かして確認済み

最小の例は 2026年10月23日に Node.js 24 と Claude Code で動かし、テスト 4 件が通ることを確かめました。AI が返すコードは毎回同じではありません。件数と賃金の数字は、頁に書いた日付の時点の物です。