情報処理​安全確保​支援士 令和6年度 秋期 午前II、全25問のうちの問5。

出典:令和6年度 秋期 情報処理安全確保支援士試験 午前II 問5

PQC(Post-⁠Quantum Cryptography)はどれか。

  1. ア量子アニーリングマシンを用いて,回路サイズ,消費電力,処理速度を飛躍的に向上させた実装性能をもつ暗号方式
  2. イ量子コンピュータを用いて効率的に素因数分解を行うアルゴリズムによって,暗号を解読する技術
  3. ウ量子コンピュータを用いても解読が困難であり,安全性を保つことができる暗号方式
  4. エ量子通信路を用いた鍵配送システムを利用し,大容量のデータを高速に送受信する技術
答えと解説を開く

正解はウです。

PQC (耐量子計算機暗号) は、量子コンピュータを使っても解読が難しいと考えられている暗号です。今広く使われている RSA や楕円曲線暗号は、大きな量子コンピュータができると、ショアのアルゴリズムで素因数分解などが速く解かれ、破られてしまいます。そこで、格子の問題など、量子コンピュータでも速く解けないとされる数学の問題を土台にした暗号が作られています。正解はウです。

ほかの選択肢が違う理由

  • ア量子アニーリングマシンで動かして性能を上げた暗号ではありません。PQC は、今のふつうのコンピュータで動かす暗号です。
  • イ量子コンピュータで素因数分解を速く解くのは、ショアのアルゴリズムです。暗号を破る側の技術で、PQC はそれに耐える側の暗号です。
  • エ量子通信路で鍵を送るのは、量子鍵配送 (QKD) の話です。大容量のデータを速く送る技術でもありません。

仕組み

今の通信を盗んで保存しておき、将来の量子コンピュータで解く、という脅しがあります。長く秘密にしたい情報ほど、早めに PQC へ移す必要があります。

アメリカの NIST は 2⁠0⁠2⁠4 年に、鍵の共有に使う ML-⁠KEM や、署名に使う ML-⁠DSA などを標準として定めました。今の暗号と PQC を組み合わせて使う移行の方法も広がっています。

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