本番で動いている AI エージェントや RAG の失敗を、どう見つけますか

利用者の手直しや却下、ツール呼び出しと引いた文書を記録し、毎日数件を人が読む抜き取りと、答えなかった、言い切った、同じ問いを繰り返したなどの合図で失敗を拾う。見つけた失敗は評価の組に足して戻す、と答える問い。

まず 4 択で考える

2 問

答えに入れるべき考えを選びます。選ぶと、すぐに正誤と解説が出ます。そのあと下の欄で、自分の言葉で答えてみます。

  1. 問 1本番の AI エージェントや RAG の失敗を見つける仕組みとして、いちばん合うのはどれか

  2. 問 2本番で見つけた AI の失敗の扱いとして、いちばん合うのはどれか

2 問中 0 問に答えました

答えてみる

面接官に「本番で動いている AI エージェントや RAG の失敗を、どう見つけますか」と聞かれたつもりで、答えを見る前に自分の言葉で、声に出して答えてみます。

解説を読む

聞かれ方から関連するコースまで、この問いの解説を全部ここに置いています。

こう聞かれます

  • 「本番の AI エージェントが誤っていることに、どうやって気づきますか」
  • 「エラーは出ていないのに、答えが外れているときは、どう見つけますか」
  • 「お客様先の RAG の仕組みで、何を記録しておきますか」

面接官が見ている点

  • AI の失敗はエラーとして出ない場合がある、と分かっているか
  • 苦情を待たずに、失敗を拾う仕組みを先に置けるか
  • 見つけた失敗を、次の改善と評価に戻す流れまで作れるか

短い答え

  • 1 回ごとに、問い、引いた文書、呼んだツールと結果、最後の答え、利用者がそれをどう扱ったかを記録します。
  • 利用者の手直しや却下、答えなかった、言い切った、同じ問いを繰り返した、などの合図で怪しい回を拾い、毎日数件は人が読む抜き取りも続けます。
  • 見つけた失敗は種類で分けて評価の組に足し、直したあとに同じ失敗が戻らないかを確かめます。

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少し詳しい答え

AI の失敗はエラーにならない

ふつうの仕組みの失敗は、エラーや止まりとして表に出ます。AI エージェントや RAG の失敗は、もっともらしい答えとして静かに出ます。エラーの数を見ているだけでは、誤った答えが毎日出ていても気づけません。苦情を待つと、気づくのはお客様の業務に響いたあとです。だから、失敗を拾う仕組みを本番に出す前から置きます。

1 回ごとに残す記録

あとで「なぜこの答えになったか」をたどれるように、1 回ごとに次を残します。

YAML

question: 利用者の問い
retrieved: [引いた文書の名前と場所]
tool_calls: [呼んだツール、渡した値、返った結果]
answer: 最後の答え
user_action: そのまま使った / 手で直した / 却下した

引いた文書が残っていれば、答えの誤りが文書を引き損ねたせいか、引いた文書を読み違えたせいかを分けられます。ツール呼び出しが残っていれば、エージェントがどの手順で外れたかが分かります。記録には個人の情報が入りやすいので、残す範囲と期間はお客様の決まりに合わせます。

失敗の合図を拾う

全部を人が読むことはできないので、怪しい回を合図で拾います。

  • 利用者の手直しと却下答えを大きく書き換えた、使わずに閉じた
  • 答えなかった資料にあるはずの問いに「分かりません」と返した
  • 言い切った引いた文書に無いことを、確かな口調で答えた
  • 同じ問いの繰り返し言い回しを変えて何度も聞き直している
  • ツールの空回り同じツールを何度も呼んで、答えに届かなかった

合図に引っかかった回を毎日まとめて見ると、どの種類の問いで外れやすいかが見えてきます。

人が読む抜き取り

合図だけでは、利用者が気づかずにそのまま使った誤りは拾えません。そこで、合図とは関係なく、毎日数件をでたらめに選んで人が読みます。お客様の現場の担当にも、週に一度ほど一緒に読んでもらうと、業務の目でしか分からない誤りが見つかります。

評価の組に足して戻す

見つけた失敗は、「文書を引き損ねた」「読み違えた」「ツールの選び違い」「答えてはいけないのに答えた」などの種類に分け、評価の組に足します。直したら組を全部回し、同じ失敗が戻っていないかを確かめます。見つける、分ける、組に足す、直す、の流れを回し続けることが、本番の AI を育てる土台になります。

トレードオフ

記録を細かく残すほど失敗をたどりやすくなりますが、保管の費用と、個人の情報を抱える危うさが増えます。人の抜き取りを増やすほど見落としは減りますが、人の時間がかかります。最初は合図での拾い上げと少ない抜き取りで始め、外れの多い種類の問いに人の目を寄せていきます。

よくある間違い

  • エラーの数だけを見ている AI の誤りはもっともらしい答えとして出るので、エラーの数は増えません
  • 苦情が来てから調べる気づくのがお客様の業務に響いたあとになり、たどる記録も残っていないことがあります
  • 見つけた失敗をその場で直して終わる評価の組に足さないと、別の直しで同じ失敗が戻っても気づけません

深掘りの問い

  • 「利用者が手直しの操作をしない画面なら、どう拾いますか」答えのあとに使えたかを一言で選ぶ欄を置くか、そのあとの業務の操作 (問い合わせへの返信の書き直しなど) を合図にする、と答えます
  • 「記録に個人の情報が入るのが心配と言われたら」残す欄を絞り、名前などは置き換えてから残し、保管の期間をお客様と決める、と答えます
  • 「失敗の種類が多すぎて手が回らないときは」業務への響きの大きさと件数で並べ、上の 2 つか 3 つに絞って直す、と答えます

確認日 2026年10月30日書き手 小尾 知希 (講師)

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