問5 未使用アドレス宛の SYN/ACK

情報処理​安全確保​支援士 令和6年度 春期 午前II、全25問のうちの問5。

出典:令和6年度 春期 情報処理安全確保支援士試験 午前II 問5

送信元 IP アドレスが A,送信元ポート番号が 8⁠0/tcp,宛先 IP アドレスがホストに割り振られていない未使用の IP アドレスである SYN/ACK パケットを大量に観測した場合,推定できる攻撃はどれか。

  1. アIP アドレス A を攻撃先とするサービス妨害攻撃
  2. イIP アドレス A を攻撃先とするパスワードリスト攻撃
  3. ウIP アドレス A を攻撃元とするサービス妨害攻撃
  4. エIP アドレス A を攻撃元とするパスワードリスト攻撃
答えと解説を開く

正解はアです。

TCP の接続は、SYN、SYN/ACK、ACK の 3 つのやり取りで始まります。SYN/ACK は、SYN を受け取ったサーバが返す返事です。A の 8⁠0 番ポート (Web サーバ) が、だれも使っていないアドレスに SYN/ACK を大量に返しているということは、その未使用のアドレスを送信元に名乗った SYN が A に大量に届いていたことになります。これは、送信元を偽った SYN を浴びせてサーバに接続の待ちを抱えさせる SYN フラッド攻撃の跡です。A は攻撃を受けている側なので、正解はアです。

ほかの選択肢が違う理由

  • イパスワードリスト攻撃なら、接続を確立したうえでログインを繰り返します。偽りの送信元への SYN/ACK が大量に出ることとは結び付きません。
  • ウA は SYN を受けて返事をしているだけです。攻撃元は、送信元を偽って A に SYN を送っている別のだれかです。
  • エA は攻撃元ではなく、パスワードリスト攻撃の跡でもありません。未使用のアドレスとはログインのやり取りが成り立たないからです。

仕組み

使われていないアドレスの範囲 (ダークネット) に届く通信を見張ると、こうした返事のパケット (バックスキャッタ) から、どこかで起きているサービス妨害攻撃に気づけます。

SYN フラッドへの備えとして、SYN cookie があります。サーバは接続の待ちを手元に溜めず、返事の番号に情報を埋め込んでおき、正しい ACK が戻ってきたときにだけ接続を作ります。

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