問56 クラウド移行で不要になる運用作業

応用情報​技術者試験 令和7年度 春期 午前、全80問のうちの問56。

出典:令和7年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問56(選択肢の表を、1 つずつの文に組み直した。文の中では、列の見出しの「システム運用作業」を「作業」に縮めた。元の表は図に書き起こした)

A 社は,自社がオンプレミスで運用している業務システムを,クラウドサービスへ段階的に移行する。段階的移行では,初めにネットワークとサーバを IaaS に移行し,次に全てのミドルウェアを PaaS に移行する。A 社が行っているシステム運用作業のうち,この移行によって不要となるシステム運用作業の組合せはどれか。

〔A 社が行っているシステム運用作業〕

① 業務システムのバッチ処理のジョブ監視

② 物理サーバの起動,停止のオペレーション

③ ハードウェアの異常を警告する保守ランプの目視監視

④ ミドルウェアへのパッチ適用

選択肢の表
IaaS への移行によって不要となるシステム運用作業PaaS への移行によって不要となるシステム運用作業
ア①②,④
イ①,③②
ウ②,③④
エ③②,④
  1. アIaaS への移行によって不要となる作業 ①,PaaS への移行によって不要となる作業 ②,④
  2. イIaaS への移行によって不要となる作業 ①,③,PaaS への移行によって不要となる作業 ②
  3. ウIaaS への移行によって不要となる作業 ②,③,PaaS への移行によって不要となる作業 ④
  4. エIaaS への移行によって不要となる作業 ③,PaaS への移行によって不要となる作業 ②,④
答えと解説を開く

正解はウです。

クラウドでは、どこまでを事業者が受け持つかが方式ごとに違います。IaaS では、建物、ネットワーク、物理のサーバなどの設備を事業者が受け持ち、利用者は OS から上を受け持ちます。だから、物理サーバの起動や停止 (②) と、ハードウェアの保守ランプを目で見て見張る作業 (③) は、IaaS に移った時点で A 社の仕事ではなくなります。PaaS では、さらに OS とミドルウェアも事業者が受け持つので、ミドルウェアへのパッチ当て (④) が不要になります。業務システムのバッチ処理のジョブ監視 (①) は、A 社の業務のアプリケーションにかかわる作業なので、どちらに移っても A 社に残ります。IaaS で②と③、PaaS で④が不要になるので、正解はウです。

ほかの選択肢が違う理由

  • ア①の業務システムのジョブ監視は、自社のアプリケーションの作業なので IaaS に移っても残ります。②の物理サーバの操作は、PaaS を待たず IaaS に移った時点で不要になります。
  • イ①は移行後も A 社に残る作業です。また、②の物理サーバの操作は IaaS に移った時点で不要になり、PaaS への移行で不要になる④が入っていません。
  • エ③は合っていますが、②の物理サーバの操作は IaaS に移った時点で不要になります。PaaS への移行で不要になるのは④だけです。

仕組み

クラウドの方式は、事業者が受け持つ範囲の広さで並べると、IaaS (設備まで)、PaaS (OS とミドルウェアまで)、SaaS (アプリケーションまで) の順です。

事業者と利用者が受け持つ範囲を分け合う考え方を、責任共有モデルと言います。どの方式でも、自社の業務の動き方やデータの扱いは利用者の側に残ります。

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