3秒でわかる
サーバーや保存領域を自分で持たず、必要な量だけ事業者から借りて使う形態。初期投資を抑えつつ、負荷に合わせて増減させるために選ばれます。
30秒図解
もう少し詳しく
どういうものか
クラウドは、サーバー、ストレージ、データベース、ネットワークといった計算資源を、事業者の設備から必要な分だけ借りて使う形態を指します。AWS、Google Cloud、Microsoft Azure が代表例です。機材を買って自社の建物や借りたラックに置く従来のやり方は、対比してオンプレミスと呼ばれます。
借りる範囲によって次の三層に分けて説明されます。
| 呼び名 | 借りるもの | 利用者が管理するもの | 例 |
|---|---|---|---|
| IaaS | 仮想サーバーやディスク | OS より上すべて | EC2 |
| PaaS | 実行環境まで | アプリのコードと設定 | Cloud Run |
| SaaS | 完成したサービス | 中のデータと利用者 | Gmail |
なぜ必要か
自社でサーバーを持つ場合、想定される最大の負荷に合わせて機材を買う必要があります。年末だけ混むサービスでも、その混雑に耐える台数を一年中抱えることになり、残りの十一か月は遊んでいる状態です。クラウドは使った分だけの課金なので、混む時期に増やして終わったら返す運用ができます。数分でサーバーを立てられるため、試して駄目なら捨てるという進め方が現実的になった点も大きな変化です。
具体例
コマンドひとつでサーバーが増える様子を見ると、従来との違いが分かりやすくなります。
# 仮想サーバーを1台起動する
aws ec2 run-instances --image-id ami-0abcdef1234567890 --instance-type t3.micro --count 1
# 不要になったら停止して課金を止める
aws ec2 terminate-instances --instance-ids i-0123456789abcdef0つまずきやすいところ
責任共有モデルの読み違いが最も多い失敗です。事業者が守るのは設備と基盤までで、OS の更新、アクセス権限の設定、保存したデータの中身は利用者の責任です。ストレージを誤って公開設定にした情報漏洩は、事業者側の障害ではなく利用者側の設定ミスに当たります。もう一つは費用で、止め忘れた仮想サーバーや、外向きの通信量に対する課金は、無料枠の感覚のまま使うと請求書で驚くことになります。使い終えた資源を消す運用と、予算アラートの設定を最初に済ませておくのが安全です。
似た用語との違い
オンプレミスは設備を自社で保有する形、ホスティングは事業者の物理サーバーを一台丸ごと借りる形、クラウドは必要な量を必要な時間だけ借りる形です。境目は所有と課金の単位にあります。また、クラウドの上でサーバーを立てて自分で OS を管理するなら、運用の手間はオンプレミスとさほど変わりません。手間まで減らしたい場合は、PaaS やマネージドデータベースなど上の層を選ぶことになります。
覚え方
自家用車を買うのがオンプレミス、レンタカーがクラウド、と対応させると費用の考え方まで揃います。使わない日も駐車場代がかかるのが前者、借りた時間だけ払うのが後者です。