問74 移動平均法と指数平滑法

応用情報​技術者試験 令和7年度 春期 午前、全80問のうちの問74。

出典:令和7年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問74

様々な需要予測モデルのもととなっている時系列モデルに関する記述として,適切なものはどれか。

  1. ア移動平均法では,平均する期間を長くするほど,短期的な需要の変化の影響が大きくなる。
  2. イ移動平均法は,長期的な需要のトレンドを把握するのには向かないが,直近の需要の変化を把握するのには向いている。
  3. ウ指数平滑法では,平滑化定数の値が 0%に近いほど直前の実績値を重視し,1⁠0⁠0%に近いほど過去の実績値を重視する。
  4. エ指数平滑法は,過去の実績値よりも直近の実績値を用いるほど予測の精度が向上すると考えられる場合に有効な手法である。
答えと解説を開く

正解はエです。

指数平滑法は、次の期の予測値を「前回の予測値 + 平滑化定数 × (前回の実績値 − 前回の予測値)」で求める方法です。平滑化定数を α とすると、直前の実績には α、その前には α × (1 − α) のように、古い実績ほど重みが小さくなります。このため、新しい実績ほど予測に強く効きます。直近の実績を使うほど予測が当たると考えられる場合に向いています。正解はエです。

ほかの選択肢が違う理由

  • ア移動平均法では、平均する期間を長くするほど、一時的な上下がならされて、短期的な変化の影響は小さくなります。大きくなるのではありません。
  • イ移動平均法は、短期の上下をならして大きな流れを見やすくする方法です。長期のトレンドをつかむのに向いていて、直近の細かい変化をつかむのには向きません。説明が逆です。
  • ウ大小が逆です。平滑化定数が 1⁠0⁠0% (1) に近いほど直前の実績値を重く見て、0% に近いほど前回の予測値、つまりそれまでの実績の積み重ねを重く見ます。

仕組み

たとえば平滑化定数が 0.2 で、前回の予測値が 1⁠0⁠0、前回の実績値が 1⁠2⁠0 なら、次の予測値は 1⁠0⁠0 + 0.2 × (1⁠2⁠0 − 1⁠0⁠0) = 1⁠0⁠4 です。実績とのずれの 2 割だけ予測を寄せます。

移動平均法は、決めた期間の実績を同じ重みで平均します。指数平滑法は、すべての過去の実績を、古いほど軽い重みで使います。重みの付け方の違いで覚えます。