問4 共通鍵暗号と公開鍵暗号の違い

情報セキュリティ​マネジメント試験 令和5年度 公開問題、全15問のうちの問4。

出典:令和5年度 情報セキュリティマネジメント試験 科目A・B 公開問題 問4

暗号方式に関する記述のうち,適切なものはどれか。

  1. ア公開鍵暗号方式,共通鍵暗号方式ともに,大きな合成数の素因数分解が困難であることが安全性の根拠である。
  2. イ公開鍵暗号方式では原則としてセッションごとに異なる鍵を利用するが,共通鍵暗号方式では一度生成した鍵を複数のセッションに繰り返し利用する。
  3. ウ公開鍵暗号方式は仕様が標準化されているが,共通鍵暗号方式はベンダーによる独自の仕様で実装されることが一般的である。
  4. エ大量のデータを短い時間で暗号化する場合には,公開鍵暗号方式よりも共通鍵暗号方式が適している。
答えと解説を開く

正解はエです。

公開鍵暗号方式は、大きな数の計算を使うので処理が重く、大量のデータの暗号化には向きません。共通鍵暗号方式は、ビットの置き換えや並べ替えを繰り返す軽い処理で済むので、同じ量のデータをずっと速く暗号化できます。そのため実際の通信では、鍵の受け渡しだけを公開鍵暗号方式で行い、データ本体は共通鍵暗号方式で暗号化する組合せ (ハイブリッド暗号) がよく使われます。正解はエです。

ほかの選択肢が違う理由

  • ア大きな合成数の素因数分解の難しさを安全性の根拠にしているのは、公開鍵暗号方式の RSA です。AES などの共通鍵暗号方式は素因数分解に頼っていません。
  • イ説明が逆です。実際の通信では、セッションごとに新しく作るのは共通鍵の方です。繰り返し使うのは、サーバ証明書に入れた公開鍵とその秘密鍵の組です。
  • ウ共通鍵暗号方式も AES のように仕様が標準化されています。ベンダーの独自の仕様が一般的ということはありません。独自の暗号は安全性を確かめにくいので避けられます。

仕組み

共通鍵暗号方式は速いが鍵の受け渡しが難しく、公開鍵暗号方式は鍵の受け渡しが楽だが遅い、という長所と短所の組で覚えます。

この 2 つを組み合わせて、通信の初めの鍵の受け渡し (鍵の合意) には公開鍵の技術を使い、データ本体は速い共通鍵暗号方式で暗号化します。HTTPS もこの考え方です。

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