問64 ABC で見る人件費の削減額

応用情報​技術者試験 令和7年度 春期 午前、全80問のうちの問64。

出典:令和7年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問64

製品 X と製品 Y を販売している企業が,見積作成と提案書作成に掛かる業務時間を,それぞれ 2⁠0%削減できるシステムの構築を検討している。Activity-⁠Based Costing を用いて,次の条件が洗い出された。本システム構築による製品 X の見積作成と製品 X の提案書作成に関する月間総人件費削減効果は幾らか。

〔条件〕

・製品 X の見積作成に掛かる月間業務時間は,5⁠0 時間

・製品 X の提案書作成に掛かる月間業務時間は,5⁠0 時間

・製品 Y の見積作成に掛かる月間業務時間は,1⁠0⁠0 時間

・製品 Y の提案書作成に掛かる月間業務時間は,4⁠0⁠0 時間

・製品 X と製品 Y の見積作成に掛かる月間総人件費は,6⁠0 万円

・製品 X と製品 Y の提案書作成に掛かる月間総人件費は,3⁠6⁠0 万円

・見積作成と提案書作成は,それぞれ人件費単価が異なる部門が担っている。

・製品 X と製品 Y の見積作成に掛かる人件費単価は,同じである。

・製品 X と製品 Y の提案書作成に掛かる人件費単価は,同じである。

  1. ア4 万円
  2. イ8 万円
  3. ウ1⁠2 万円
  4. エ1⁠4 万円
答えと解説を開く

正解はウです。

まず、活動ごとに 1 時間当たりの人件費 (単価) を出します。見積作成は、製品 X と Y を合わせて 5⁠0 + 1⁠0⁠0 = 1⁠5⁠0 時間で 6⁠0 万円なので、6⁠0 ÷ 1⁠5⁠0 = 0.4 万円です。提案書作成は、5⁠0 + 4⁠0⁠0 = 4⁠5⁠0 時間で 3⁠6⁠0 万円なので、3⁠6⁠0 ÷ 4⁠5⁠0 = 0.8 万円です。次に、製品 X の分の人件費を出します。見積作成は 5⁠0 × 0.4 = 2⁠0 万円、提案書作成は 5⁠0 × 0.8 = 4⁠0 万円で、合わせて 6⁠0 万円です。どちらの業務時間も 2⁠0% 減るので、削減効果は 2⁠0 × 0.2 + 4⁠0 × 0.2 = 4 + 8 = 1⁠2 万円です。正解はウです。

ほかの選択肢が違う理由

  • ア4 万円は、見積作成の分 (2⁠0 万円の 2⁠0%) だけの値です。提案書作成の分 8 万円を足していません。
  • イ8 万円は、提案書作成の分 (4⁠0 万円の 2⁠0%) だけの値です。見積作成の分 4 万円を足していません。
  • エ1⁠4 万円は、2 つの活動の単価を区別せず、総人件費 4⁠2⁠0 万円を総時間 6⁠0⁠0 時間で割った 0.7 万円を製品 X の 1⁠0⁠0 時間に掛け、その 2⁠0% を取った値です。活動ごとに単価が違うので、分けて計算する必要があります。

仕組み

Activity-⁠Based Costing (ABC、活動基準原価計算) は、費用を「見積作成」「提案書作成」のような活動ごとに集め、製品がその活動をどれだけ使ったかで割り振る方法です。

全部の費用を一つの単価でならすと、手間の掛かる活動を多く使う製品の費用が小さく見えてしまいます。活動ごとに単価を分けると、製品ごとの本当の費用に近づきます。