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ネットワークとは
「つながらない」の原因は、広い範囲に散らばっている
ページが開かない、アプリが応答しない。このとき疑う場所は、手元のケーブルや電波から、住所の設定、途中にある何十台もの中継機、そして相手のサーバーまで、驚くほど広い範囲に散らばっています。
勘で当てにいっても当たりません。ネットワークを学ぶ一番の見返りは、この広い範囲を切り分けて、疑う順番を決められるようになることです。まずは通信を成立させている要素をばらしてみます。
通信は 3 つ揃わないと成立しない
ネットワークとは、複数のコンピューターを通信路でつなぎ、データをやりとりできるようにした仕組みのことです。成立には次の 3 つが要ります。
- ノード — つながっている機器そのもの。PC、スマホ、サーバー、中継機はすべてノードです
- リンク — ノードとノードをつなぐ通信路。LAN ケーブル、Wi-Fi の電波、光ファイバー、携帯回線が該当します
- プロトコル — 送り方の約束事。どんな順番で、どんな書式でやりとりするかを決めたルールです
1 つでも欠ければ通信は成立しません。「ケーブルは挿さっているのに通じない」なら物理の道は生きているので、残る 2 つのどちらかに絞り込めます。
3 つのうち、目に見えないのがプロトコルです。ケーブルが挿さっているかは目で分かりますし、電波が届いているかは画面のマークで分かります。ところが「送り方の約束が食い違っている」状態は、どこにも表示されません。相手が別のバージョンしか話せない、証明書の期限が切れている、といった詰まり方がこれにあたります。原因不明に見える不具合の多くが、この見えない 3 つ目に潜んでいます。
手元の 10 メートルと、地球の裏側は別物
同じ「つなぐ」でも、範囲が変われば使う技術も設計の前提もまるで変わります。だから規模で呼び名を分けます。
| 呼び名 | 範囲の目安 | よく使う技術 |
|---|---|---|
| PAN | 半径 10 メートルほど | Bluetooth |
| LAN | 建物やフロアの中 | Ethernet、Wi-Fi |
| WAN | 都市や国をまたぐ | 専用線、携帯網 |
範囲が広がると、遅延も、途中で壊れる確率も、通り道を誰が管理しているかも変わります。同じ建物の中なら往復 1 ミリ秒を切り、経路は全部自分の持ち物です。地球の裏側なら往復 200 ミリ秒を超え、経路のほとんどは他人の設備です。「もっと速くならないのか」と言われたときに、それが物理的に無理な要求かどうかを見積もれるのは、この違いを知っているからです。
インターネットは、この LAN と WAN が世界中で相互接続された結果できあがった「ネットワークのネットワーク」です。誰かが 1 つの巨大な網を敷いたのではなく、無数の網がつながった状態そのものを指します。inter (相互の) と net が語源です。
頼む側と応える側に、役割が固定されている
Web の通信はほとんどが、頼む側と応える側に分かれた形です。ブラウザが「このページをください」と要求し、サーバーが応答を返します。これをクライアント・サーバー型と呼びます。
対等な相手どうしが直接やりとりする形もあり、こちらはピアツーピア型と呼ばれます。ファイル共有や一部の通話アプリが該当します。このコースで扱う話題はほぼクライアント・サーバー型なので、まずは「頼む側と応える側」という非対称な形を頭に置いてください。障害が起きたとき、どちら側の問題かをまず分けられるようになります。
復習ミニクイズ
ネットワークの 3 要素として正しい組み合わせはどれですか