ITパスポート対策
システム戦略
システム戦略は、経営の目標を実現するために情報システムをどう使うかを決める活動です。個別の部署が使いやすいかどうかではなく、会社全体として最適かどうかを考えるところが出発点になります。
情報システム戦略と全体最適化
情報システム戦略は、経営戦略にもとづいて立てられます。順序が逆になった選択肢は誤りです。システムに合わせて経営方針を決めるのではなく、経営方針を実現する手段としてシステムを位置づけます。
このとき重視されるのが全体最適化です。部署ごとに都合のよい仕組みを作ると、同じデータを二重に持ったり、つなぎ込みに余分な費用がかかったりします。個別最適の積み重ねが全体最適にならないという考え方が前提にあります。会社全体の業務とシステムの構造を整理して見える化する枠組みをEA(エンタープライズアーキテクチャ)と呼び、現状の姿と目指す姿を描いて差を埋めていきます。
情報システムに関する意思決定を統括する責任者はCIOです。財務の責任者であるCFOと取り違える問題が出ます。
業務改善の進め方
業務の直し方には段階の違いがあります。
| 用語 | 意味 | 変化の大きさ |
|---|---|---|
| BPR | 業務プロセスを根本から作り直す | 大きい。既存の手順を白紙に戻す |
| BPM | 業務プロセスを継続的に見直し改善し続ける | 小さいが繰り返す |
| RPA | 定型的なパソコン操作をソフトウェアで自動化する | 手順は変えず人手を置き換える |
BPRは一度きりの抜本的な作り直し、BPMは回し続ける改善活動という対比が問われます。「現行業務の流れは維持したまま、入力作業だけを自動化した」という事例はRPAであり、BPRではありません。ここは典型的な引っかけです。
RPAが得意なのは、手順が決まっていて判断の少ない繰り返し作業です。例外的な判断が多い業務には向かない、という限界もあわせて覚えてください。
業務のモデリング
業務の流れやデータの構造を図で表すことをモデリングといいます。何を表す図なのかが問われます。
| 表記法 | 表すもの |
|---|---|
| DFD | データの流れ。処理、データストア、データフロー、外部実体で描く |
| E-R図 | データ同士の関係。実体と関連、多重度を描く |
| BPMN | 業務プロセスの流れ。作業や分岐、担当者のレーンを描く |
| UML | ソフトウェアの構造や振る舞い。クラス図、ユースケース図などの総称 |
データの流れならDFD、データ同士の関係ならE-R図です。この2つの入れ替えが最頻出なので、流れか関係かで判断してください。
ソリューションとクラウドの活用
顧客の課題に対して、製品とサービスを組み合わせて解決策として提供する事業をソリューションビジネスといいます。単体の製品を売るのではなく、課題解決までを引き受ける点が違いです。
クラウドサービスは提供範囲で分かれます。ソフトウェアをそのまま使えるのがSaaS、アプリを動かす土台を借りるのがPaaS、サーバやネットワークといった設備を借りるのがIaaSです。SaaSを使えば自社でサーバを持たずに済み、導入が早く、保守や更新も提供側が行います。一方で、自社の業務に合わせた細かい作り込みはしにくくなります。この長所と短所の組合せが問われます。
なお、システムの企画から開発、運用、保守までの作業内容と用語を共通化した指針が共通フレームです。発注側と受注側で言葉の意味を合わせ、認識の食い違いを防ぐことが目的で、開発手法そのものを定めたものではありません。