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マルウェアとフィッシング

マルウェアとは、悪意をもって作られたソフトウェアの総称です。ウイルス、ワーム、ランサムウェアなどはすべてマルウェアの一種で、試験ではどれも似た名前なのに定義がはっきり違うため、区別を問う問題が繰り返し出ます。ここは覚えれば確実に取れる分野です。

マルウェアの種類を分ける

分けるときの軸は2つです。単独で動けるかどうかと、何をするかです。

種類特徴ポイント
ウイルス他のプログラムやファイルに寄生して増える単独では存在できず、宿主が必要
ワーム単独で存在し、自分でネットワークを伝って複製する宿主が不要な点がウイルスとの違い
トロイの木馬便利なソフトを装って侵入し、裏で不正動作をする自己増殖しない
ランサムウェアファイルを勝手に暗号化し、元に戻す代わりに金銭を要求する身代金型
スパイウェア気づかれないように利用者の情報を収集して外部へ送る破壊より窃取が目的
ボット感染した機器を外部から遠隔操作できるようにする多数集めたものがボットネット、DDoS攻撃に使われる

引っかけの定番は、ウイルスとワームの入れ替えです。自己増殖するがファイルに寄生しないのがワーム、寄生するのがウイルスと覚えてください。またトロイの木馬は自分では増えません。「自己増殖する」と説明された選択肢が出たらトロイの木馬ではありません。

ランサムウェアの対策としてよく問われるのは、バックアップです。暗号化されてしまった後に金銭を払っても復旧する保証はないため、日ごろからバックアップを取り、しかもバックアップ先をネットワークから切り離しておくことが正解になります。バックアップ媒体を常時つないだままだと、それごと暗号化されてしまうためです。

フィッシングとビジネスメール詐欺

手口内容
フィッシング銀行やECサイトを装ったメールで偽サイトへ誘導し、IDやパスワード、クレジットカード番号を入力させる
スミッシングフィッシングをSMS(ショートメッセージ)で行うもの
ビジネスメール詐欺取引先や自社の経営者になりすまし、偽の請求書や振込先変更を伝えて送金させる
ワンクリック詐欺クリックしただけで契約が成立したかのように装い、料金を請求する

ビジネスメール詐欺は英語の頭文字からBECとも呼ばれます。マルウェアを使わず、なりすましと業務の流れの隙だけで成立する点が特徴です。したがって対策も、ウイルス対策ソフトではなく、振込先の変更は電話など別の手段で確認するといった業務手順になります。試験ではこの「技術ではなく手続きで防ぐ」という結論がよく問われます。

フィッシング対策としては、メール中のリンクをクリックせず、自分でブックマークや公式アプリからアクセスすることが基本です。「送信元アドレスが正しければ本物と判断してよい」という選択肢は誤りで、送信元は簡単に偽装できます。

ウイルス対策ソフトの仕組み

ウイルス対策ソフトの中心となる方式が、パターンマッチング方式です。既知のマルウェアの特徴を並べたパターンファイル(ウイルス定義ファイル、シグネチャファイルとも呼びます)と、検査対象を照合して見つけ出します。

ここから導かれる結論が2つあります。まず、パターンファイルを常に最新に保つ必要があること。そして、パターンファイルに載っていない未知のマルウェアは検出できないことです。ゼロデイ攻撃が防ぎにくい理由もここにあります。

それを補うのがふるまい検知(ビヘイビア法)です。プログラムの中身ではなく、動作を監視して、ファイルを次々に暗号化するといった怪しい挙動を見つけたら止めます。未知のマルウェアにも対応できる一方、正常なプログラムを誤って止めてしまうことがあります。

方式判定の材料未知への対応
パターンマッチング方式既知のパターンとの一致できない
ふるまい検知実行中の動作の怪しさできる

そのほか、感染が疑われる端末をすぐネットワークから切り離す(LANケーブルを抜く、無線を切る)ことが初動対応の正解として問われます。まず電源を落とすと証拠が消えることがあるため、切断が先という順番も押さえておいてください。

生田 陸人
ゆめさくエンジニア / 現役ソフトウェアエンジニア
編集 LuaGate編集部