ITパスポート対策
DXとデータ利活用
DXは近年の出題で必ず登場する分野です。言葉としては広く知られていますが、試験で問われるのは単なるIT化との違いという一点に絞られます。ここを押さえれば安定して取れます。
DXとは何か
DXはデジタルトランスフォーメーションの略で、デジタル技術を使って製品やサービス、業務のしかた、さらには組織や企業文化まで変え、競争上の優位性を確立する取り組みを指します。目的は変革であって、システムを導入すること自体ではありません。
試験では「紙の帳票をそのままPDFにして保存した」といった事例をDXの例として挙げる選択肢が出ますが、これは誤りです。やり方が変わっていないためです。業務やビジネスモデルそのものが変わったかどうかで判断してください。
3つの段階の違い
DXに至るまでは3段階で説明されます。並び順が問われます。
| 段階 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| デジタイゼーション | アナログの情報をデジタルに変換する | 紙の書類をスキャンして電子ファイルにする |
| デジタライゼーション | 業務のプロセスをデジタル前提に作り替える | 申請から承認までをワークフローで完結させる |
| DX | 事業や組織のあり方まで変え、新しい価値を生む | 蓄積したデータをもとに新しいサービスを始める |
デジタイゼーションが情報の置き換え、デジタライゼーションが業務プロセスの置き換え、DXが事業全体の変革という順に範囲が広がります。対象がデータなのか、プロセスなのか、事業なのかで見分けられます。
データを経営に生かす
勘や経験だけに頼らず、収集したデータの分析結果にもとづいて意思決定を行う経営をデータドリブン経営といいます。関連して次の用語が出ます。
- ビッグデータ。従来の方法では扱いきれないほど大量で多様なデータ
- データサイエンス。統計や機械学習を使ってデータから有用な知見を導く学問領域
- データサイエンティスト。その分析を担い、業務知識と統計・IT技術を併せ持つ人材
- BI(ビジネスインテリジェンス)。蓄積したデータを集計・可視化して経営判断を支える仕組み
- データマイニング。大量のデータから、気づかれていなかった規則性や関係を見つけ出す手法
また、国や自治体、企業が保有するデータのうち、誰でも自由に利用・再配布できる形で公開されたものをオープンデータといいます。人口統計や地図情報などが該当します。個人情報を含んだまま公開するものではない、という点が引っかけになります。二次利用が認められていることが条件だと覚えてください。
2025年の崖とレガシーシステム
長年の改修で複雑化し、中身が把握しづらくなった古い基幹システムをレガシーシステムと呼びます。技術が古い、仕様書が残っていない、扱える技術者が引退していく、といった問題を抱え、変更に時間と費用がかかります。
経済産業省のDXレポートは、こうしたレガシーシステムを刷新できないままだと、DXが進まず国際競争に取り残され、大きな経済的損失が生じると警告しました。この問題提起が2025年の崖です。
重要なのは、これが技術の話にとどまらず経営課題として示された点です。原因としては、システムの老朽化や複雑化のほか、業務がシステムの制約に縛られていること、IT人材の不足などが挙げられます。用語の意味を「2025年にシステムが動かなくなること」と説明した選択肢は誤りです。特定の日付で機能が停止するという話ではありません。