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経営戦略のきほん
経営戦略の分野は、分析手法の名前がたくさん出てきます。試験で問われるのはほとんどの場合「この手法は何のために使うのか」という目的との対応付けです。手順の細部より、名前と目的をセットで覚えることを優先してください。
経営理念とビジョン
企業活動の一番上にあるのが経営理念です。その企業が何のために存在するのかという価値観を示したもので、めったに変わりません。その下に、将来こうなりたいという姿を描いたビジョンがあり、さらにそれを実現する道筋として経営戦略、実行計画として経営計画が並びます。
上から順に、理念、ビジョン、戦略、計画と抽象度が下がっていく関係です。試験では「最も上位にある概念はどれか」という形で順序が問われます。理念を「今期の売上目標」のように具体的な数値で説明した選択肢は誤りです。数値目標は計画のレベルの話です。
また、企業が社会に対して果たす責任をCSR、法令や倫理を守ることをコンプライアンス、株主など利害関係者による監視の仕組みをコーポレートガバナンスと呼びます。利害関係者そのものはステークホルダといいます。
現状を分析する手法
代表的な分析手法は次のとおりです。目的の列だけを縦に読んで覚えると効率がよいです。
| 手法 | 何を分析するか | 目的 |
|---|---|---|
| SWOT分析 | 強み・弱み・機会・脅威の4象限 | 内部環境と外部環境を同時に整理する |
| 3C分析 | 顧客・競合・自社 | 市場での自社の立ち位置をつかむ |
| PPM | 市場成長率と市場占有率 | 複数事業への資源配分を決める |
| バリューチェーン分析 | 事業活動を機能ごとに分解 | どの工程で価値が生まれているかを知る |
| ベンチマーキング | 優れた他社のやり方 | 自社と比較して改善目標にする |
SWOT分析は、強みと弱みが内部環境、機会と脅威が外部環境という対応が最頻出です。「競合他社の新規参入」は脅威であって弱みではありません。ここを入れ替えた選択肢が定番の引っかけです。
PPMの4象限
PPMはプロダクトポートフォリオマネジメントの略で、縦軸に市場成長率、横軸に市場占有率をとって事業を4つに分類します。
| 区分 | 成長率 | 占有率 | 資金の出入り |
|---|---|---|---|
| 花形 | 高い | 高い | 収入も多いが投資も多い |
| 金のなる木 | 低い | 高い | 投資が少なく資金源になる |
| 問題児 | 高い | 低い | 投資が必要で資金を食う |
| 負け犬 | 低い | 低い | 撤退を検討する |
「他の事業へ回す資金を生み出す区分はどれか」と問われたら金のなる木です。花形と答えさせる引っかけがよく出ますが、花形は成長市場を維持するために投資も必要なので、資金の出し手にはなりにくいと整理してください。
競争力を高める打ち手
他社がまねできない中核的な技術や能力をコアコンピタンスといいます。自社の弱い部分を外部で補う方法として、他社を買収したり合併したりするM&A、複数企業がゆるやかに提携するアライアンス、業務の一部を外部に委託するアウトソーシングがあります。
違いは結びつきの強さです。資本が動くのがM&A、資本関係を伴わない協力関係がアライアンスと覚えると区別できます。他社の株式を買って傘下に収める話が出てきたらM&Aです。