ITパスポート対策
知的財産権
知的財産権の全体像
形のないアイデアや表現を守る権利をまとめて知的財産権と言います。大きく分けると、創作した表現を守る著作権と、産業に役立つ技術やデザインを守る産業財産権があり、そのほかに営業秘密を守る不正競争防止法などがあります。
いちばん問われるのは、権利が発生するタイミングの違いです。
| 区分 | 権利が発生する時点 | 手続 |
|---|---|---|
| 著作権 | 著作物を創作した時点で自動的に発生する | 申請も登録も不要 |
| 産業財産権 | 特許庁に出願し、審査を経て登録された時点 | 出願と登録が必要 |
著作権のように手続なしで権利が生じることを無方式主義と言います。著作物にマークを付けたり文化庁に登録したりしなくても、書いた瞬間から権利があります。
著作権とプログラム
プログラムは著作物として著作権で保護されます。一方で、プログラムが実現している手順そのもの、つまりアルゴリズムは著作権で保護されません。プログラム言語や、通信手順などの規約も保護の対象外です。著作権が守るのは表現であって、アイデアや解法ではないためです。アルゴリズムを独占したい場合は、要件を満たせば特許権で保護します。
会社の従業員が職務として作ったプログラムや文書は、契約や就業規則に別段の定めがなければ、著作者が会社になります。これを職務著作と言います。保護期間は、個人の著作物なら著作者の死後70年、法人の著作物なら公表後70年です。
ソフトウェアの使い方は、購入ではなく利用の許諾、つまりライセンスで決まります。
| 形態 | 内容 |
|---|---|
| OSS | ソースコードが公開され、改変や再配布が認められたソフトウェア。著作権は放棄されていない |
| フリーソフトウェア | 無償で使えるソフトウェア。著作権は作者にある |
| シェアウェア | 試用は無料で、継続して使うなら料金を払う方式 |
| サブスクリプション | 期間に応じて使用料を払い、契約している間だけ使える方式 |
| ボリュームライセンス | 一定数以上をまとめて契約する法人向けの方式 |
営業秘密と不正競争防止法
顧客名簿や製造ノウハウのように、公になっていない有用な情報は営業秘密として不正競争防止法で守られます。営業秘密と認められるには、秘密として管理されていること、事業に有用であること、公然と知られていないことの3つをすべて満たす必要があります。他社の商品と紛らわしい表示をする行為なども、この法律が禁じています。
試験ではこう問われます
事例を読んで、どの権利にあたるかを選ばせる形が定番です。
- 著作権は創作した時点で発生します。「登録しないと権利が生じない」とする選択肢は誤りです
- 産業財産権は特許権、実用新案権、意匠権、商標権の4つです。著作権をこの中に混ぜた選択肢が出ます
- 存続期間は、特許権が出願から20年、実用新案権が出願から10年、意匠権が出願から25年、商標権が登録から10年で更新できます。商標権だけ更新できる点がよく問われます
- プログラムは著作物、アルゴリズムは著作物ではありません。この対比が最頻出です
- OSS は著作権を放棄したソフトウェアではありません。ライセンス条件に従う義務があります
- 無償で公開されている素材でも、無断で改変や再配布ができるとは限りません
編集 LuaGate編集部