ITパスポート対策
企業活動と組織
企業の目的とガバナンス
企業は、商品やサービスを提供して社会に価値を届け、その対価として利益を得る組織です。ただし利益さえ上がればよいわけではありません。企業を取り巻く株主、従業員、顧客、取引先、地域社会などの利害関係者をステークホルダーと呼び、企業はその全員に対して責任を負っています。
この考え方にかかわる用語は次のとおりです。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| CSR | 企業の社会的責任。環境保全や地域貢献など、利益追求以外の責任を果たすこと |
| コーポレートガバナンス | 企業統治。経営者が暴走しないよう、株主や社外取締役が経営を監視する仕組み |
| ディスクロージャ | 経営情報を外部に開示すること |
| 内部統制 | 業務が適正に行われるよう、社内に整える仕組み |
コーポレートガバナンスは経営者を外から監視する仕組み、内部統制は日々の業務を内側で正しく回す仕組みです。主語が経営者か業務かで見分けます。
組織の形態と人材
組織の形は、何を軸に人を分けるかで決まります。
| 形態 | 分け方 | 特徴 |
|---|---|---|
| 職能別組織 | 営業、製造、経理など仕事の種類で分ける | 専門性が高まるが、部門をまたぐ調整に手間がかかる |
| 事業部制組織 | 製品別、地域別など事業の単位で分ける | 事業部ごとに利益責任を持ち、意思決定が速い |
| マトリックス組織 | 職能と事業など2つの軸に同時に所属する | 指揮命令系統が2つになり、命令が食い違うことがある |
| プロジェクト組織 | 目的ごとに人を集め、達成したら解散する | 期間限定の一時的な組織 |
| カンパニー制組織 | 事業部を独立した会社のように扱う | 権限が大きく、投資の判断まで任される |
経営の責任者には略語が付きます。CEO は最高経営責任者、COO は最高執行責任者、CFO は最高財務責任者、CIO は最高情報責任者、CTO は最高技術責任者、CISO は最高情報セキュリティ責任者です。情報システム全体の戦略を担うのが CIO、技術開発を担うのが CTO という違いが問われます。
人材を計画的に育て、活かす取り組みをヒューマンリソースマネジメントと言います。育成方法は、実際の業務を通じて上司や先輩が指導する OJT と、業務を離れて研修や講習で学ぶ Off-JT に分かれます。
PDCAとQC七つ道具
PDCA サイクルは、Plan で計画を立て、Do で実行し、Check で結果を測り、Act で改善して次の計画につなげる、という4段階を繰り返す考え方です。回し続けることで品質や業務が少しずつ良くなります。
Check の段階でデータを見るための道具が QC 七つ道具です。
| 道具 | 使いどころ |
|---|---|
| パレート図 | 件数の多い項目から並べ、重点的に対策すべき原因を絞り込む |
| 特性要因図 | 魚の骨の形に、結果に影響する要因を分類して整理する |
| ヒストグラム | データのばらつきの分布を柱状グラフで見る |
| 散布図 | 2つの項目の間に相関があるかを見る |
| 管理図 | 時間の経過に沿って測り、異常なばらつきを見つける |
| チェックシート | 発生件数を決まった様式で数え取る |
| 層別 | データを機械別や担当者別などのグループに分けて比べる |
試験ではこう問われます
出題は用語と事例の対応が中心です。引っかかりやすい点は次のとおりです。
- 「重点対策すべき項目を選ぶ」ならパレート図、「原因を洗い出して整理する」なら特性要因図です。この2つの入れ替えが最頻出です
- マトリックス組織の短所は、指揮命令系統が複数になることです。専門性が高まらないことではありません
- プロジェクト組織は目的達成後に解散します。恒常的な組織と説明する選択肢は誤りです
- OJT と Off-JT は、業務の中か外かで判断します。集合研修や外部セミナーは Off-JT です
- PDCA の Check は評価であって、実行や改善ではありません。事例文の「効果を測定した」がどの段階かを問う形が定番です
編集 LuaGate編集部