ITパスポート対策

コンプライアンス

コンプライアンスとステークホルダー

コンプライアンスは法令遵守と訳されますが、守る対象は法律だけではありません。社内規程、業界のルール、社会の常識や倫理までを含みます。法律に触れていなくても、社会から見て不誠実な行為は企業の信用を失わせるからです。

企業の行動の指針を明文化したものを行動規範や企業倫理規程と呼び、従業員が判断に迷ったときの拠りどころになります。判断の基準は、株主、従業員、顧客、取引先、地域社会といったステークホルダーに対して説明できるかどうかです。

内部統制と内部通報

内部統制は、業務が法令や社内規程に沿って適正に行われるよう、社内に整える仕組みです。代表的な考え方は次のとおりです。

仕組み内容
職務分掌申請する人と承認する人を分け、1人で完結させない
相互牽制複数人が互いに確認し合い、不正を起こしにくくする
IT統制権限設定やアクセスログなど、システムで統制を効かせる
内部通報制度不正に気づいた従業員が、社内の窓口へ通報できる仕組み

内部通報や外部への通報をした人が、解雇や降格などの不利益な扱いを受けないよう守る法律が公益通報者保護法です。通報者を守ることで不正を早く見つけられる、という狙いがあります。

情報倫理と身近な法律

業務で情報を扱う以上、日々の行動そのものが法令遵守の対象になります。

場面注意すべき点
SNS への投稿未公表の製品情報や社内の写真を投稿すると、営業秘密の漏えいになる
顧客情報の持ち出し私物の記憶媒体や個人のクラウドへ複製しない
広告メールの送信特定電子メール法により、原則としてあらかじめ同意を得た相手にだけ送れる
広告の表示景品表示法により、実際より著しく良く見せる表示や、過大な景品の提供は禁止される

特定電子メール法は、受信者の同意を得てから送るというオプトイン方式を原則とし、送信者名や配信停止の連絡先を明示することも求めています。実際より優れていると誤認させる表示を優良誤認、価格や取引条件を有利に見せる表示を有利誤認と言い、いずれも景品表示法が禁じています。

試験ではこう問われます

事例が適切か不適切かを判断させる形が中心です。

  • コンプライアンスは法律を守ることだけを指す、とする選択肢は誤りです。社内規程や倫理も含みます
  • 公益通報者保護法が守るのは通報した人であって、通報された企業ではありません
  • 内部統制の基本は、1人に権限を集中させないことです。「担当者1名に一連の処理を任せて効率化した」は不適切な例として出ます
  • 名刺交換をしただけの相手へ広告メールを一斉送信する行為は、特定電子メール法の観点で問題になります
  • 業務時間外の個人アカウントであっても、社内で知り得た未公表情報の投稿は情報漏えいです。私的利用だから問題ない、という選択肢は誤りです
生田 陸人
ゆめさくエンジニア / 現役ソフトウェアエンジニア
編集 LuaGate編集部