AIエンジニアとは

転職ロードマップの 1 つ目の段 職種を決める

AI エンジニアと呼ばれる仕事は、AI そのものを作る仕事と、AI を組み込んでサービスを作る仕事の 2 つに分かれます。仕事内容と種類、要る技能、厚生労働省の job tag の年収、将来性、未経験から目指す 5 つの段をまとめました。

文 ゆめさく ・ 公開 2026年10月26日 ・ 更新 2026年10月26日

この頁が向いている人

この頁は、AI エンジニアという仕事が気になっていて、未経験から目指せるのかを知りたい人のための頁です。仕事内容、種類、要る技能、年収、将来性、なり方の順に書きます。

先に結論を書きます。いま「AI エンジニア」と呼ばれる仕事は、大きく 2 つに分かれます。AI そのものを作る仕事と、AI を組み込んでサービスを作る仕事です。厚生労働省の職業情報提供サイト job tag は、AI エンジニアの年収を 609.8 万円としています。ただしこれは AI エンジニアだけを数えた数ではありません。未経験から近いのは後ろの、AI を組み込んで作る仕事で、この頁の「なり方」も主にこちらの道を書きます。

AI エンジニアとは 2 つの仕事の呼び名

AI エンジニアという名前の求人を読み比べると、同じ名前で中身の違う仕事が並んでいます。違いは、AI を中から作るか、外から使って作るかです。

見る点AI そのものを作るAI を組み込んで作る
主な仕事学習させてモデルを作り、精度を上げるAI を呼び出す機能を、サービスや社内の道具に組み込む
作る物の例需要の予測、画像の判定、不正の検知社内の資料に答える窓口、作業を代わりに進めるエージェント
中心の技能統計と数学、機械学習プログラミング、Web、答えの確かめ方
別の呼び名機械学習エンジニア、データサイエンティスト生成 AI エンジニア

国の物差しでも、この 2 つは別の役割として書かれています。経済産業省と IPA が定めたデジタルスキル標準の「DX 推進スキル標準」は、DX を進める人の役割を 6 つの類型に分けています。AI の仕組みの設計と実装と運用は「データサイエンティスト」の類型に入り、デジタル技術を使った製品やサービスの設計と実装と運用は「ソフトウェアエンジニア」の類型に入っています。AI を組み込んでサービスを作る仕事は、後ろのソフトウェアエンジニアの仕事に AI が加わった形です。

厚生労働省の job tag は、データサイエンティストを AI エンジニアに含める場合もあるとしたうえで、狭い意味の AI エンジニア、つまり機械学習のエンジニアを解説しています。job tag の数を読むときは、前の方の仕事の説明だと思って読みます。

求人を読むときの見分け方

求人票の仕事内容にモデルの開発、学習、精度の改善が並んでいれば AI そのものを作る仕事です。API の連携、機能の開発、既存のサービスへの組み込み が並んでいれば AI を組み込んで作る仕事です。名前より、仕事内容の動詞を読みます。

AI エンジニアの種類

求人や記事で AI エンジニアとまとめて呼ばれる仕事には、次の名前がよく出てきます。会社によって呼び名と範囲は違うので、表は目安です。

呼び名主にすること上の 2 つのどちらに近いか
機械学習エンジニアモデルを作って学習させ、精度を上げるAI そのものを作る
データサイエンティストデータを分析し、業務の判断や予測に使うAI そのものを作る
MLOps エンジニア作ったモデルを本番で動かし続け、作り直しを回す両方の間
生成 AI エンジニア生成 AI を呼び出す機能を作り、答えを確かめる仕組みを組むAI を組み込んで作る

AI への指示の書き方を専門にする人を「プロンプトエンジニア」と呼ぶこともあります。いまは独立した職種というより、生成 AI を組み込んで作る仕事の中の技能の 1 つとして求められることが多い技能です。

仕事内容

AI そのものを作る仕事

予測や判定をするモデルを作り、使える精度まで育てる仕事です。job tag が書く仕事の流れは次の通りです。

  1. 目標と計画を決める。チームで何を作るかを決め、受託なら依頼する会社から要件と使えるデータを聞きます
  2. データを整える。 AI に学習させるデータの集め方、加工の仕方、管理の仕方を設計します
  3. 学習させる。正解の分かっているデータを入れて学習させ、正解率が目標に届くまで繰り返します。学習に何日もかかることもあります
  4. 確かめて納める。確かめ用のデータで、その分野の専門家と一緒に判定を確かめてから納めます
  5. 運用しながら育てる。動き始めたあとも、実際のデータで AI を育て続けます

AI が使われている例として、job tag は顔認証、病気の画像診断、車の自動運転、相談の窓口の手助け、異常や障害の検知を挙げています。結果が良くなったのか偶然なのかを判断するのに、統計の考え方を毎日使う仕事です。

AI を組み込んで作る仕事

すでにある AI を部品として呼び出し、人が使える形にする仕事です。たとえば社内の規程集に答える窓口なら、資料を読み込ませる仕組み、質問を受ける画面、答えの出どころを示す表示、間違えたときの扱いまでを作ります。AI の答えはいつも同じとは限らないので、答えが正しいかをどう確かめるかを決めるのが、この仕事のいちばん大事な所です。

AI に資料を読ませて答えさせる作り方は RAG と呼ばれ、作業を代わりに進めさせる作り方はエージェントと呼ばれます。どちらも、プログラミングと Web のしくみの上に乗っています。

書くコードの多くを AI に任せる働き方

もう 1 つ、Claude Code、Cursor、GitHub Copilot などの道具で、コードの多くを AI に書かせて開発するエンジニアを AI エンジニアと呼ぶこともあります。これは職種というより、どの職種でも広がっている働き方です。job tag も、生成 AI でコードの下書きを作り人が手直しすることを、よく使う道具に挙げています。AI に書かせたコードを読んで受け取るか決めるには、自分でコードを読めることが前提になります。進め方はAI駆動開発の頁にまとめています。

必要なスキル

技能AI そのものを作るAI を組み込んで作る
プログラミング (Python など)要る要る
Web のしくみとデータベースあると良い要る
クラウドと運用要る要る
AI への指示の書き方あると良い要る
AI の答えの確かめ方 (テスト)要る要る
統計と数学 (線形代数、微分)深く要る仕組みを知る程度
機械学習とディープラーニングの理論深く要る仕組みを知る程度
業務の理解と説明の力要る要る

job tag は、機械学習の手法に通じていること、Python などを使いこなせること、データ分析の技術と道具を使えることを挙げ、そのうえで画像や言葉や音声の処理、医学や農学などの分野の知識が求められることもあるとしています。

AI を組み込んで作る仕事でも、生成 AI が答えを作る仕組みは知っておきます。仕組みを知らないと、間違えやすい場面を先に避ける作りにできません。

AI エンジニアの年収

厚生労働省の job tag は、AI エンジニアの年収を次のように示しています。

項目数元の調べ
年収 (全国)609.8 万円令和 7 年賃金構造基本統計調査を加工
年齢 (全国)42.2 歳同上
ハローワークの求人の月額賃金32.7 万円令和 7 年度のハローワーク求人統計
有効求人倍率1.96同上

この数は、AI エンジニアだけを数えたものではありません。job tag は、AI エンジニアが属する主な職業分類「その他の情報処理・通信技術者 (ソフトウェア開発を除く)」などの統計を載せていて、必ずしもその職業だけの数ではないと断っています。AI エンジニアの年収として 1 つの数を見かけたら、どの分類の数かを確かめます。

job tag には、IT の仕事の技能の段 (IT スキル標準、ITSS のレベル) ごとの年収も載っています。厚生労働省が 2023 年度に行った委託調査の結果で、真ん中の半分の人が入る幅です。

技能の段 (設計・構築)年収の幅
ITSS レベル 1〜2420.0 万円〜620.0 万円
ITSS レベル 3450.0 万円〜700.0 万円
ITSS レベル 4500.0 万円〜780.0 万円
ITSS レベル 5 以上600.0 万円〜950.0 万円

同じ職種でも、技能の段で幅が大きく動きます。未経験で入る人は、まず下の段から始まると考えて読みます。

求人で年収を調べる順

  1. 目指す仕事を決める。上の見分け方で、AI そのものを作る仕事か、AI を組み込んで作る仕事かを決めます
  2. 仕事内容で求人を絞る。名前で探すと 2 つが混ざるので、仕事内容の語で絞って読み比べます
  3. 応募の条件と並べて読む。年収の幅の上の方には、何年の経験や何の実績が条件として書かれているかを見ます。未経験で応募できる求人の額と、経験を積んだあとの額は分けて考えます

ゆめさくは、転職や年収を約束しません。額より先に、応募の条件に書かれた技能を 1 つずつ作品で示せるかを見るほうが、次にやることが決まります。

需要と将来性

job tag は、AI の応用が様々な分野に広がり、AI エンジニアの需要は極めて高いとしています。人手が足りず、実績のある人の中途採用は奪い合いになっているとも書いています。上の表の有効求人倍率 1.96 は、ハローワークで 1 人の求職者に約 2 件の求人がある計算です。

一方で job tag は、著作権などの法律の問題や、AI 開発の危うさと倫理が話題になっていて、AI エンジニアの働き方が変わる可能性にも触れています。

AI エンジニアの仕事は AI でなくなるか

AI がコードの下書きを書く場面は増えています。それでも、何を作るかを決め、使うデータを選び、出てきた物が正しいかを確かめる仕事は残ります。AI を組み込んで作る仕事は、まさにその確かめる側の仕事です。なくなるのは、AI の出した物を読まずに流すだけの働き方のほうだと考えてください。AI 時代にエンジニアを目指す意味は、代表の記事でも書いています。

「やめとけ」と言われる理由

AI エンジニアはやめとけ、と言われる理由は主に 3 つです。技術の進み方が速く、学び続けないと置いていかれること。AI そのものを作る仕事は、大学院で学んだ人が多い世界であること。名前が流行っていて、中身の違う求人が混ざっていること。どれも、目指す方を決めて、確かめられる作品を積めば避けられます。

向いている人

  • 答えの決まっていない問いを、試して比べながら進めるのが苦にならない人
  • AI の答えをうのみにせず、どこが間違っているかを探したくなる人
  • 新しい道具や記事を、自分から読みに行ける人
  • 作った物の理由を、ほかの人に言葉で説明できる人

自分に合う職種がまだ分からない人は、適職診断で IT 職種の候補を先に出してください。

未経験から届くのはどちらか

未経験から目指すなら、AI を組み込んで作る仕事のほうが道が見えます。土台が Web の開発と同じなので、学ぶ順をそのまま積めて、作った物を人に見せやすいからです。

AI そのものを作る仕事は、job tag によれば学歴や資格が特に要るわけではありませんが、実際には大学院で情報科学や工学などを学んだ修士や博士の人が多くを占めます。統計と数学から積む長い道になるので、大学で理系の数学を学んだ人や、仕事でデータの分析をしてきた人のほうが近道です。

どちらが合うか迷う人は、エンジニア転職診断で、いまロードマップのどの段にいるかを先に見てください。

未経験からのなり方 5 つの段

AI を組み込んで作る仕事を目指す道を、ゆめさくのコースの順に並べます。期間は人によって大きく違うので、ここでは段だけを書きます。学ぶ物の全体の地図はAIエンジニアへの道にもあります。

  1. AI の全体像をつかむ。 AI で何ができて何が苦手かを知り、目指す仕事をはっきりさせます。職種から選ぶ学ぶ順番の AI エンジニアに、入口のコースを並べています
  2. Python と Web の基礎を積む。 Python で小さなプログラムを書き、Web のしくみ、データベースと SQL、Git まで進みます。終わった目印は、小さな物を 1 人で最後まで作れることです
  3. AI を呼び出して確かめる。指示の書き方を学び、AI の答えをテストで確かめる練習をします。AIへの指示の出し方とRAG入門が、この段のコースです
  4. AI を組み込んだ物を 1 つ作って公開する。自分か身近な人の困りごとから 1 つ選びます。エージェントを作るならAIエージェントの作り方に、手元で動く最小の例があります
  5. 作品を整えて応募する。 README に、何を作り、AI の答えをどう確かめたかを書きます。書き方はポートフォリオの作り方に実例があります
作品で見せる所

AI を組み込んだ作品で見せたいのは、AI が賢いことではなく、AI が間違えたときにどうなるかです。答えの出どころを示す、自信の無い答えは出さない、試した質問と結果を表で残す。この 3 つのどれかがあると、作った人の考えが伝わります。

独学、スクール、資格のどれで学ぶか

学ぶ道は、独学、スクール、資格の勉強の 3 つに分かれます。独学は費用を抑えられますが、何を作るかと、作った物が合っているかを自分で決めなければなりません。スクールは順番と相談の相手が付く代わりに費用がかかります。資格の勉強は全体像を体系で学べますが、それだけでは作る力の証明になりません。どの道でも、最後は作品で示すことになります。

転職を進めるには

応募の前に、目指す仕事の求人を 10 件ほど読み、仕事内容と応募の条件に何度も出てくる技能を書き出します。その技能を使った作品が 1 つあれば、面接で話すことが決まります。AI を組み込む仕事のほかにも、クラウドやデータベースやインフラの仕事は、AI を動かす土台として技能が活きます。段ごとの進め方はエンジニア転職ロードマップにまとめています。

役に立つ資格

job tag によれば、AI エンジニアに就くのに資格が特に要るわけではありません。資格は、全体像を体系で学ぶ道具と、学んだことの目印として使います。よく名前が挙がるのは次の資格です。

資格向く使い方
G検定AI とディープラーニングの全体像を、仕事で使う人の目で学ぶ
E資格ディープラーニングを実装する側の知識を確かめる
統計検定AI そのものを作る仕事で使う統計の土台を固める
Pythonエンジニア認定試験Python の文法と使い方を確かめる
基本情報技術者試験IT の基礎を国家試験で広く確かめる

試験の日程や料金は、それぞれの主催の頁で確かめてください。ゆめさくで対策できる試験はIT資格の一覧から見られます。

よくある疑問

Q. 数学が苦手でも AI エンジニアになれますか

AI を組み込んで作る仕事なら、高校までの数学で入口に立てます。要るのは、AI の答えを確かめる手順を組み立てる力です。AI そのものを作る仕事は、統計と線形代数を使う場面が毎日あるので、数学から学び直す覚悟が要ります。

Q. 文系や 30 代からでも目指せますか

文系かどうかで応募できる仕事が決まるわけではありません。年齢は、募集の年齢制限が原則として禁じられています。ただし採用は約束できないので、作った物と説明で、応募の条件の技能を示せるかで考えてください。

Q. AI エンジニアの平均年収はいくらですか

厚生労働省の job tag は 609.8 万円としています (令和 7 年賃金構造基本統計調査を加工)。ただし AI エンジニアだけの数ではなく、情報処理と通信の技術者の分類の数です。技能の段ごとの幅は、この頁の年収の節にまとめています。

Q. 年収 1000 万円は目指せますか

job tag の技能の段ごとの年収では、いちばん上の段の真ん中の半分の人でも 600 万円から 950 万円の幅です。1000 万円を超える人はその上にいますが、ゆめさくは額を約束しません。まずは応募の条件に書かれた技能を作品で示すことから始めてください。

Q. AI の資格は要りますか

資格が応募の条件になっている求人もありますが、多くの仕事では作った物のほうが技能を示します。資格は、AI の全体像を体系で学ぶ道具として使えます。試験の中身はIT資格の一覧から見られます。

Q. 生成 AI の進歩で、この仕事はなくなりませんか

何を作るかを決め、出てきた物が正しいかを確かめる仕事は残ります。くわしくはこの頁の需要と将来性の節に書きました。AI の使い方を仕事で深める道は、FDEの仕事と学び方にも書いています。

出典

次の一歩

目指す方が決まったら、次は学ぶ順を決めます。いまどの段にいるかが分からない人は、診断で次にやることを 1 つ決めてください。1 人で進めるのが不安なら、ゆめさくコードのコースと実践プロジェクトで順に学べます。