未経験からのエンジニアポートフォリオの作り方

転職ロードマップの 4 つ目の段

未経験からエンジニアを目指す人が、応募で見られる 3 つの点 (動くか、README、コードが読めるか) をそろえるための頁です。README の直し方の実例、教材の課題を作品として載せる手順、AI で作った物の書き方、出す前の点検表をまとめました。

文 ゆめさく ・ 2026年10月26日

この頁が向いている人

この頁は、未経験からエンジニアへの転職を目指す人のためのポートフォリオの作り方です。デザイナーや写真家のポートフォリオは、見た目と作品の並べ方が主役になります。エンジニアの応募で見られるのは、作った物が動くか、説明が書いてあるか、コードが読めるかの 3 つです。見た目を整える前に、この 3 つを先にそろえます。

転職ロードマップでは 4 つ目の段「ポートフォリオを整える」にあたります。まだ作る物が無い人は、先に転職ロードマップの 3 つ目の段で 1 つ作って公開してください。

応募で見られる 3 つの点

未経験の人の応募で、書類を読む人が確かめたいのは「この人は 1 人で物を動かせるか」です。作品の数や技術の珍しさより、次の 3 つの点で答えが出ます。

見られる点合格の目印
動くかURL を開くと、説明のとおりに 1 回使える
README最初の画面で、何の物か、どう試すか、自分が何をしたかが分かる
コードが読めるか1 つのファイルを開くと、名前と分け方で何をしているか追える

よくある落ち方は、開くとエラーが出る、使った技術の名前だけが README に並んでいる、1 つのファイルに全部入っている、の 3 つです。

点検の順

出す前に、自分の作品を URL、README、コードの 1 ファイル の順で開いてみてください。知らない人が初めて開く順と同じです。どこかで止まったら、そこが最初に直す所です。

動くか

URL は README のいちばん上に置きます。ログインが要る物は、試し用のアカウントを書いておきます。開いた人が自分で会員登録をしないと中が見られない作品は、その手前で閉じられてしまいます。

無料の公開先は、しばらく使わないと止まる物や、期限のある物があります。応募の前の日に、自分で URL を開いて確かめます。HTML、CSS、JavaScript だけで動く物なら、GitHub Pages で公開できます。GitHub の説明では、公開のリポジトリなら無料のプランで使えます。サーバーやデータベースを使う物は、GitHub Pages では動かないので、別の公開先が要ります。

README

README は、作品の取扱説明書であり、面接で話す原稿の元にもなります。書く順は、次の実例の「直したあと」の形をそのまま使えます。

コードが読めるか

全部を読む人はほとんどいません。1 つか 2 つのファイルを開いて、名前の付け方、関数の分け方、エラーのときの扱いを見ます。見せたいファイルがあるなら、README に「まずここを読んでください」と 1 行で案内します。

実例 タスク管理アプリの README を直す

ゆめさくの実践プロジェクトにある「タスク管理アプリ」を例にします。TypeScript、Express、Prisma、PostgreSQL、React で、ログインつきの社内向けタスク管理を作る課題です。作り終えたあとに、よくある README と、直したあとの README を並べます。中身は説明のための例です。

直す前

Markdown

# タスク管理アプリ

React と Express と PostgreSQL で
作りました。

## 使った技術
- TypeScript
- React
- Express
- Prisma
- PostgreSQL

これでは、何のための物か、どこで試せるか、どこを自分で作ったかが分かりません。技術の名前は、ほかの応募者の README にも同じように並んでいます。

直したあと

Markdown

# 期限と担当で見るタスク管理

小さな会社の社内で、誰が何をいつまでに
抱えているかを 1 枚で見るためのアプリです。

## 試す
- URL  https://example.com
- 試し用のアカウントは下に書きました

## 自分で足した所
- 期限切れのタスクだけを絞り込む機能
- 同時に直したときに上書きしない仕組み
- 足した所のコミットは
  README の下にまとめました

## 教材から始めた所
- 画面の骨組みと、ログインの仕組み

## AI の使い方
- 一部のコード生成。
  絞り込みの SQL を Claude Code に
  書かせ、テストで確かめました

## まだできていないこと
- スマホの幅で表が横にはみ出す

## まずここを読んでください
- server/src/tasks/filter.ts

直したあとの README は、上から読むと面接の答えの順になっています。何のために作ったか、どこで試せるか、何を自分でやったか、何がまだか。面接で「この作品について話してください」と言われたら、この順で話せば足ります。

学習パスと道場で作った物を、そのまま載せる手順

教材の課題をそのまま載せると「写しただけ」と見られる、とよく言われます。隠す必要はありません。教材から始めた所と、自分で足した所を分けて見せれば、課題は立派な作品になります。ゆめさくの学習パスの実践プロジェクトは、出発点のコードから章ごとに作り進める形なので、この分け方がそのまま使えます。

  1. 出発点を自分のリポジトリに置く。教材の出発点のコードを、自分の GitHub のリポジトリに入れます。最初のコミットの説明は「教材の出発点」とします
  2. 章ごとにコミットする。教材の章を 1 つ終えるたびにコミットします。あとから見た人が、どの順で作ったかを追えます
  3. 教材に無い物を 1 つ足す。小さくてかまいません。絞り込み、並べ替え、CSV の書き出し、入力の確かめなど、自分か身近な人が困りそうな所から選びます
  4. 公開して URL を README の一番上に置く。 試し用のアカウントも書きます
  5. README で 2 つを分ける。「教材から始めた所」と「自分で足した所」の節を作り、足した所のコミットを並べます
足す物の選び方

足す物は、技術の難しさよりなぜ足したかを 1 文で言えるかで選びます。「期限切れを探すのに毎回全部を見ていたので、絞り込みを足した」と言えれば、面接で話が続きます。

道場で解いた問題は、1 問ずつを作品として並べても伝わりにくい物です。解いた数を並べるより、作品の中で同じ考え方を使った所を README で指します。たとえば、道場で練習した探索や集計の考え方を、作品のどの関数で使ったかを書きます。

学んだことの証拠は、ゆめさく Proof にも残せます。テストの通過、コードの実行、説明への回答が、学んだ証拠として記録されます。Proof を外に公開する仕組みは今準備中なので、応募では作品の URL と GitHub のリポジトリを中心にします。

AI で作った物の書き方

Claude Code、Cursor、GitHub Copilot などの AI を使って作るのは、今はふつうのことです。隠すより、どれだけ使ったかを決まった言葉で書くほうが、読む人に伝わります。ゆめさく Proof では、AI の使い方を次の 5 つの段で記録しています。README にもこの言葉をそのまま使えます。

AI の使い方README に書く例
利用なしAI は使っていません
アイデア・調査の補助作る物の案出しと、使う道具の調べ物に使いました
説明・デバッグの補助エラーの意味を聞き、直し方は自分で決めました
一部のコード生成絞り込みの SQL を AI に書かせ、テストで確かめました
大部分のコード生成仕様とテストを自分で書き、コードの多くを AI に書かせました
書く前の確かめ

AI が書いた所を、自分の言葉で説明できるかを確かめます。なぜこの書き方なのか、この行を消すと何が壊れるのか、どのテストで確かめたのか。3 つに答えられない所は、面接で聞かれる前に読み直します。

コードの大部分を AI に書かせたなら、見せどころは仕様と確かめ方に移ります。何を作るかを言葉で決め、テストを先に書き、AI が出した差分を読んで受け取った、という流れを README に書きます。この進め方はAI駆動開発の頁にまとめています。

いくつ、何を作るか

作品は、途中の物を 3 つ並べるより、最後まで作って公開した 1 つのほうが伝わります。1 つ目は、目指す職種で使う技術で作ります。職種がまだ決まっていない人は、先に職種から選ぶ学ぶ順番を見てください。

目指す職種1 つ目に向く作品と、README で見せる所
Web の画面 (フロントエンド)入力と表示がある小さな道具。画面の分け方と、入力の確かめを見せる
サーバー側 (バックエンド)ログインとデータの保存がある業務アプリ。データの持ち方と、エラーの扱いを見せる
インフラ作品を自分で公開した手順そのもの。公開までの手順と、止まったときの直し方を見せる
データと AI公開のデータを集計して見せる物。データの出どころと、集計の手順を見せる

出す前の点検表

応募の前に、上から順に「はい」と言えるかを見ます。

  • URL を開くと、説明のとおりに 1 回使える
  • ログインが要る物には、試し用のアカウントが書いてある
  • README の最初の 3 行で、何のための物かが分かる
  • 自分で足した所と、教材から始めた所が分かれている
  • AI の使い方を、5 つの段のどれかの言葉で書いている
  • 「まずここを読んでください」のファイルが 1 つある
  • まだできていないことを、1 つ以上書いている
  • パスワードや API の鍵が、コードにも履歴にも入っていない
  • スマホの幅で開いても、使えなくはない
  • この作品について 3 分話せる
鍵の確かめ

パスワードや API の鍵を一度でもコミットしたら、消すコミットを足しても履歴に残ります。見つけたら、まずその鍵を使えなくして新しい鍵に替えます。

よくある疑問

Q. 教材の課題を作品として載せてもいいですか

載せてかまいません。教材から始めた所と自分で足した所を README で分け、足した所を 1 つ以上作ってください。分けずに載せると、どこまでが自分の力かを読む人が判断できません。

Q. AI で作ったと書くと、不利になりませんか

書かないで面接で聞かれ、説明できないほうが困ります。どれだけ使ったかを決まった言葉で書き、AI が書いた所を自分の言葉で説明できるようにしておけば、使ったこと自体は問題になりにくくなります。

Q. デザインが苦手でも大丈夫ですか

エンジニアの応募では、見た目より動くことと説明が先に見られます。文字が読める、ボタンが押せる、スマホで崩れきらない、の 3 つがそろえば足ります。

Q. 作品はいくつ要りますか

決まった数はありません。まず 1 つを最後まで作って公開し、この頁の点検表を全部通してください。2 つ目は、1 つ目で足りなかった技術を補う物にします。

出典

次の一歩

作品ができたら、次は面接の準備です。いまどの段にいるかが分からない人は、診断で次にやることを 1 つ決めてください。1 人で進めるのが不安なら、ゆめさくコードの実践プロジェクトで、出発点のコードから章ごとに作品を作れます。