戻り値を返す
画面に出しただけでは、続きの計算に使えない
前の回で、引数を受け取るメソッドを書きました。ただ、System.out.println で結果を表示するだけのメソッドには弱点があります。
Java
public static void showTax(int price) {
System.out.println(price * 10 / 100);
}showTax(1200) と呼べば 120 が画面に出ます。ところが、この 120 を使って「本体 + 税」を計算しようとすると手が止まります。表示された数値は画面の中にあるだけで、プログラムからはもう触れません。値を呼び出し元へ 渡す 仕組みが要ります。それが return です。
return は値を渡して、その場でメソッドを終える
戻り値のある形にすると、こう書けます。
Java
public static int tax(int price) {
return price * 10 / 100;
}void と書いていた場所に int と書き、return の後ろに返したい値を置きます。呼ぶ側は int t = tax(1200); のように変数で受け取れますし、tax(1200) + tax(800) のように式の途中に置くこともできます。
return の働きは 2 つあります。1 つは値を呼び出し元へ返すこと、もう 1 つは その行でメソッドを打ち切ること です。return より後ろに書いた処理は決して動かないので、コンパイラは unreachable statement と言って止まります。
もう 1 つの約束が、宣言した型と返す値の型を揃えることです。int と書いたのに小数を返そうとすると incompatible types になります。
分かれ道のどこを通っても、return に着く
return は if の中にも書けます。条件ごとに違う値を返したいときは、分岐のたびに return を並べます。
Java
public static String judgeAge(int age) {
if (age < 0) return "入力エラー";
if (age < 18) return "未成年";
return "成人";
}上から順に見て、当てはまった時点でメソッドが終わります。age が 20 なら最初の 2 行を素通りして "成人" が返ります。この書き方なら else を積み上げずに済み、ネストが浅く保てます。
大事なのは、どの道を通っても最後は return にたどり着く ことです。if の中だけに return を書いて、条件を外れたときの行き先を書き忘れると、コンパイラが missing return statement と教えてくれます。「値を返すと宣言したのに、返さずに終わる道が残っている」という意味です。
戻り値の型が
voidのメソッドでもreturn;とだけ書けます。値は返さず「ここで抜ける」の合図です。値を付けてreturn name;と書くとエラーになります。
やってみよう
今回は、渡された整数の絶対値を返すメソッドを書きます。Math.abs は使わず、if と return の書き分けだけで組み立ててください。負の数のときに何を返せばプラスになるか、0 以上のときはそのままでよいか、日本語で 2 行に書いてから手を動かすと迷いません。書けたら 0 を渡した場合も確かめておきましょう。
要件
- クラス名は
Solution、メソッド名はabs、引数はint n1 つ、戻り値の型はint if文でnが負かどうかを判定し、returnで結果を返すことMath.absなどの標準ライブラリは使わず、returnの書き分けで実装すること
入出力例
abs(-5) → 5
abs(7) → 7
abs(0) → 0
abs(-100) → 100
abs(-1) → 1