サブクエリとは
平均より高い人を出すのに、クエリを 2 回打っている
社員名簿の employees テーブルから「全体の平均年収より高い人」を出したいとします。ここまでの知識だと、まず平均を調べることになります。
SQL クエリ
SELECT AVG(salary) AS avg_salary FROM employees;
-- 4120000出てきた数字を目で読んで、次のクエリに書き写します。
SQL クエリ
SELECT name, salary
FROM employees
WHERE salary > 4120000;結果は出ます。ただ、入社や退職があるたびに平均は動くので、この 4120000 は明日には嘘になります。書き写した瞬間に古くなる数字を、クエリの中に埋め込んでしまっているわけです。
書き写した数字の場所に、そのクエリごと置く
4120000 は、要するに 1 本目のクエリの結果でした。SQL では、その 1 本目を丸括弧で囲んで、数字があった場所にそのまま置けます。
SQL クエリ
SELECT name, salary
FROM employees
WHERE salary > (SELECT AVG(salary) FROM employees)
ORDER BY salary DESC;この丸括弧の中の SELECT を、サブクエリ (副問い合わせ) と呼びます。やっていることは 2 回打っていたときと同じで、変わったのは「数字を人間が運ぶ」のをやめた点だけです。平均が動いても、もうクエリを直す必要はありません。
つまりサブクエリは、頭の中で 2 段階に分けた手順を、そのまま 1 本の SQL に写し取る道具です。難しい条件に出会ったら、まず日本語で 2 段階に割ってみてください。「平均を出す」「それより高い人を出す」と割れたら、あとは前半を丸括弧に入れるだけです。
内側が先に、1 回だけ動く
「WHERE の中に SELECT があるということは、1 行調べるたびに平均を計算し直しているのでは」と不安になりますが、そうはなりません。内側は外側より先に、1 回だけ実行されます。
内側だけを取り出しても単独で動く、というのが目印です。うまく動かないときは、まず内側だけを実行して、期待した値が返っているかを確かめてください。ここで数字が想定と違っていれば、外側をいくら直しても直りません。
なお、内側から外側の行を参照する書き方もあり、相関サブクエリと呼ばれます。こちらは行ごとに評価されるので動きが変わりますが、まずは「内側だけで完結するサブクエリは、先に 1 回だけ動く」を押さえておけば十分です。
テーブル構造
CREATE TABLE products (
id INT PRIMARY KEY,
name VARCHAR(50),
category VARCHAR(30),
price INT
);
INSERT INTO products VALUES
(1, 'シャープペン', '文具', 200),
(2, 'ノート', '文具', 350),
(3, '万年筆', '文具', 5000),
(4, 'マグカップ', '雑貨', 1200),
(5, 'タンブラー', '雑貨', 2500),
(6, 'ワイヤレスマウス', '家電', 3200),
(7, 'キーボード', '家電', 6800);期待される出力
| name | price |
|---|---|
| キーボード | 6800 |
| 万年筆 | 5000 |
| ワイヤレスマウス | 3200 |