基本情報技術者(FE)対策
法務の頻出
先に問いの形を知る
法務の出題は、条文を覚えているかではなく、この事例にどの法律が働くかを選ばせる形が中心です。ですから、法律ごとに「守っている対象」を1つずつ結び付けておけば足ります。
知的財産権はどこまで守るか
ソフトウェアは著作権法で保護されます。ここで最頻出なのが、保護される範囲です。
| 対象 | 著作権法で保護されるか |
|---|---|
| プログラムそのもの(ソースコード、実行形式) | される |
| マニュアルや画面のデザイン | される |
| アルゴリズム(解法) | されない |
| プログラム言語 | されない |
| 規約(プロトコルやインタフェースの取決め) | されない |
アルゴリズム・言語・規約の3つは著作権の対象外です。ここを外す選択肢が繰り返し出ます。アイデアそのものを守りたいなら特許権の話になります。
権利ごとの違いも整理します。著作権は創作した時点で自動的に発生し、出願は不要です。特許権は出願して審査を通す必要があり、存続期間は出願から20年です。物品の形状の工夫は実用新案権、見た目のデザインは意匠権、商品名やロゴは商標権が守ります。
業務として従業員が職務上作成したプログラムの著作権は、原則として会社(法人)に帰属します。個人が作ったから個人のもの、という選択肢は誤りです。ただし委託開発では話が変わり、取り決めがなければ著作権は作成した受託側に残ります。発注して代金を払ったから当然に自社のもの、とはなりません。契約書で譲渡を定めるのが実務です。
営業秘密は不正競争防止法が守ります。営業秘密と認められる条件は、秘密として管理されていること(秘密管理性)、事業に有用であること(有用性)、公然と知られていないこと(非公知性)の3つで、1つでも欠けると保護されません。誰でも見られる場所に置いた情報は、重要でも営業秘密になりません。
労働法規は指揮命令で切る
もう1つの頻出が、開発の要員をどう受け入れているかの区別です。判定の軸は1つ、誰が作業者に指示を出すかです。
| 形態 | 指示を出すのは | 責任の対象 |
|---|---|---|
| 労働者派遣 | 派遣先(受入れ側)の担当者 | 労働時間の管理は派遣先が行う |
| 請負 | 請負元(送り出した側)の担当者 | 完成した成果物に責任を負う |
| 準委任 | 委任元の担当者 | 完成ではなく、作業の遂行に責任を負う |
請負なのに発注側の社員が作業者へ直接指示を出していれば、実態は派遣とみなされ、偽装請負として問題になります。また、派遣で受け入れた人をさらに別の会社へ派遣する二重派遣は禁止されています。
請負と準委任の差もよく問われます。成果物の完成を約束するのが請負、決められた業務を誠実に行うことを約束するのが準委任です。運用保守や技術支援は準委任で結ばれることが多い、と押さえてください。
そのほかの頻出法規
- 不正アクセス禁止法 — 他人のIDとパスワードを無断で使って接続する行為を禁じます。被害が出ていなくても、接続した時点で違反です。IDを第三者に教える行為も助長行為として禁じられます
- 個人情報保護法 — 生存する個人を特定できる情報を扱う事業者の義務を定めます。取得時の利用目的の通知、目的外利用の禁止、第三者提供の制限が柱です
- 下請法 — 発注側が優位な立場を使って支払を遅らせたり代金を不当に減らしたりすることを禁じます
- 製造物責任法(PL法) — 製造物の欠陥による損害の賠償を定めます。ソフトウェア単体は対象外ですが、組み込まれた機器は対象になります
次回は、この章の内容をまとめて本試験形式の10問で確認します。