エンジニアキャリアの歩き方
【最終レッスン】あなたのキャリア戦略を言語化する
最後のレッスンでは、読む側から書く側に回ってもらいます。紙でもテキストファイルでも構いません。誰にも見せない前提で開いてください。所要時間は 30 分ほどです。手が止まったら、そこが今いちばん考えていない場所なので、空欄のまま次に進んで構いません。
頭の中にある計画は、決めるたびに形を変える
言語化していない方針は、その場ごとに都合よく変形します。転職の話が来れば「そろそろ動くつもりだった」と思い、忙しくなれば「今は動く時期ではない」と思う。どちらも本心なので、自分では矛盾に気づけません。
書くと、この変形が止まります。前に書いた文と今の判断が食い違っていれば、目で見て分かるからです。判断の物差しは、外に置いておかないと物差しとして働きません。
正しい戦略を書く必要はありません。半年後に間違いだと分かってもいいので、今の時点でどう考えているかを、そのままの言葉で残してください。
3 つの問いに答える
1 つめは、これから 3 年で何を「やらない」と決めるかです。
やりたいことのリストは無限に書けてしまうので、判断の役に立ちません。捨てるほうを書くと、時間の取り合いが片づきます。人の管理はやらない、この領域には手を出さない、転職は当分考えない。書いてみて苦しくなったものがあれば、それは本当は捨てたくないものなので、残すべきものが逆に見えてきます。
捨てたものを永久に捨てる必要はありません。この 3 年は取らない、というだけです。期限をつけて書いておくと、決断の重さがずいぶん下がります。
2 つめは、自分の仕事のうち「なぜそうしたか」を説明できるものはどれか、です。
できることの一覧ではなく、自分が決めた経験を数えてください。技術の選択でも、やらないと決めた判断でも構いません。1 つも挙がらないなら、次の 3 か月は、決める側に回れる場面を作るところから始めます。挙がるなら、それはそのまま外に出せる材料です。
ここで手が止まる人は多いのですが、それ自体が収穫です。作業はしてきたけれど判断はしてこなかった、という状態が見えたなら、次に取るべき行動もはっきりします。
3 つめは、どうなったらこの戦略を書き換えるか、です。
やめる条件を先に書いておきます。半年やって手応えがない、興味が続かない、家庭の状況が変わった。条件を決めていないと、うまくいっていないことを認めるのが遅れて、損切りが効かなくなります。
うまくいったときの条件も書いておくと、なお使えます。ここまで来たら次の段階に進む、という線があると、成果が出ているのに動けない、という止まり方を避けられます。
半年後に、同じ紙をもう一度開く
3 つの答えは、書いた時点のものです。技術の状況も、周りの人も、自分が大事にしたいことも変わります。
半年ごとに開いて、今も同じ答えになるかを確かめてください。変わっていたら書き換えます。書き換えた跡が残ること自体が、その半年で自分が何を学んだかの記録になります。
見返す日をカレンダーに入れておくと確実です。予定に入っていないものは、まず開きません。
このコースで扱ってきたのは、どれも判断の材料でした。材料をどう組むかは人によって違いますし、正解も 1 つではありません。今日書いた 3 つの答えが、その組み方の最初の 1 枚になります。
復習ミニクイズ
キャリア戦略を具体的な行動に落とし込む「アクションプラン」を作成する際、レッスンの内容に基づいた最も適切な目標設定はどれですか?