生成AI資格対策(生成AIパスポート+G検定)
機械学習の3分類
手法名から入ると、事例問題で外す
機械学習の3分類は、手法の難しさで分かれているのではありません。学習のときに何が与えられるかで分かれています。ここを押さえると、業務の状況として書かれた事例問題がほぼ機械的に解けるようになります。
| 分類 | 与えられるもの | 学習の目的 |
|---|---|---|
| 教師あり学習 | 入力データと、それに対する正解ラベル | 未知の入力に対して正解を当てる |
| 教師なし学習 | 入力データのみ。正解ラベルは無い | データの構造や規則性そのものを見つける |
| 強化学習 | 環境と、行動に対する報酬という評価 | 報酬の合計が最大になる行動の方針を獲得する |
出力が飛び飛びか連続かで、分類と回帰に割れる
教師あり学習は正解付きのデータで学びます。過去のメールに「迷惑」「通常」の札が貼ってあり、それを見て判定基準を獲得する形です。ここはさらに2つに分かれます。
分類は出力が離散的なラベルの場合です。迷惑メール判定、手書き数字が0から9のどれか、与信の可否などが該当します。代表的な手法はロジスティック回帰、決定木、ランダムフォレスト、サポートベクターマシン、k近傍法です。回帰は出力が連続値の場合で、来月の売上額、中古住宅の価格、気温の予測などが該当します。代表的な手法は線形回帰、重回帰、勾配ブースティング系の手法です。
見分け方は出力が飛び飛びか連続かです。「合格か不合格か」は分類、「点数は何点か」は回帰になります。同じ試験の話でも問い方で変わる点が狙われます。
正解が無いデータから、構造だけを取り出す
教師なし学習は、正解ラベルの無いデータから構造だけを取り出します。クラスタリングは似たもの同士をグループにまとめる手法で、顧客を購買傾向で数グループに分ける使い方が典型です。重要なのは、分けたグループに名前を付けるのは人間だという点です。機械は「この3つの塊がある」としか言いません。手法は k平均法 (k-means) や階層的クラスタリングです。
次元削減は、たくさんの特徴量を情報をなるべく失わずに少ない軸へまとめます。可視化や、後段の学習を軽くする前処理に使い、代表は主成分分析 (PCA) です。ほかに、通常と大きく外れたデータを見つける異常検知や、一緒に買われやすい商品の組み合わせを見つけるアソシエーション分析も教師なし学習の枠で語られます。
報酬という評価だけで、方針を学ぶ
強化学習では、エージェントが環境の中で行動し、その結果として報酬を受け取り、報酬の合計を最大にする方針を試行錯誤で学びます。正解の行動は誰も教えてくれません。教えられるのは、いまの行動がどれくらい良かったかという評価だけです。
用語として、行動する主体をエージェント、その外側を環境、いまの状況を状態、選ぶ手を行動、評価を報酬、行動の選び方を方策 (ポリシー) と呼びます。囲碁やゲームの AI、ロボットの歩行制御、広告配信の最適化などで使われ、AlphaGo が代表例です。難しいのは、目先の報酬と将来の報酬をどう天秤にかけるか、そして未知の行動を試すか既に良いと分かっている行動を選ぶか、という探索と活用のバランスです。
3分類に収まらない自己教師あり学習
実務では、3つのどれにもきれいに収まらない学習の仕方が広く使われています。半教師あり学習は、少量のラベル付きデータと大量のラベル無しデータを組み合わせる方式で、ラベル付けに費用がかかる医療画像などで有効です。
自己教師あり学習は、ラベルを人間が付けるのではなく、データ自身から自動で問題を作り出して学習します。文章の一部を隠して当てさせる、画像の一部を隠して復元させる、といったやり方です。人手のラベル付けが不要なので、インターネット上の膨大なテキストをそのまま学習に使えます。これが後の章で扱う大規模言語モデルの事前学習そのものです。大規模言語モデルは人間が正解を付けたデータで作られているわけではないという点は、生成 AI を理解するうえで重要な前提になります。
出題は業務の状況として書かれます。ラベルがあると明記されていれば教師あり、どんなタイプがあるか分かっていないという記述があれば教師なしのクラスタリング、報酬という語が出たらまず強化学習を疑います。クラスタリングと分類を混同させる選択肢が定番で、ラベルが最初からあるかどうかで切ります。
復習ミニクイズ
あるコールセンターが、過去の問い合わせ記録を分析したいと考えています。記録には分類の印が一切付いておらず、どのような話題の塊があるのかも事前に分かっていません。まずは似た内容の問い合わせをグループにまとめたい場合、適する手法はどれですか。