LLM の機能を作るとき、RAG とファインチューニングをどう使い分けますか

変わる知識を答えさせたいなら RAG、口調や出力の形のような振る舞いを変えたいならファインチューニング。まずはプロンプトの工夫と RAG で始める、と答える問い。

答えてみる

面接官に「LLM の機能を作るとき、RAG とファインチューニングをどう使い分けますか」と聞かれたつもりで、答えを見る前に自分の言葉で答えます。

声に出して答えた人は「書かずに答えを見る」で開けます。

解説を読む

聞かれ方から関連するコースまで、この問いの解説を全部ここに置いています。

こう聞かれます

  • 「LLM の機能を作るとき、RAG とファインチューニングをどう使い分けますか」
  • 「社内の文書について答える AI を作るなら、どちらを使いますか」
  • 「まず何から試しますか」

面接官が見ている点

  • 2 つが「知識を足す」のか「振る舞いを変える」のか、違いを言えるか
  • 手軽な手から順に試す、という順番の感覚があるか
  • 費用、更新の手間、出典を示せるかで比べられるか

短い答え

  • RAG は、質問に関係する文書を探して LLM に一緒に渡す方法で、社内の文書のように変わる知識を答えさせたいときに使います。出典を示せて、文書を差し替えるだけで更新できます。
  • ファインチューニングは、例を使ってモデルを追加で学習させる方法で、口調や出力の形のような振る舞いを変えたいときに使います。
  • まずはプロンプトの工夫と RAG で始め、それでも足りない所だけファインチューニングを考えるのが現実的です。

少し詳しい答え

2 つの違い

LLM (大規模言語モデル) は、学習した時点までの一般的な知識しか持っていません。

  • RAG (検索で補う生成) は、質問が来たら、手元の文書から関係する部分を探し、その文書を質問と一緒に LLM に渡して答えさせます。モデルそのものは変えません。本で言えば、試験に資料を持ち込む形です
  • ファインチューニングは、たくさんの「入力と望む出力」の例でモデルを追加で学習させ、モデルそのものを変えます。本で言えば、書き方の癖を練習で身に付ける形です

比べる軸

軸RAGファインチューニング
得意なこと変わる知識、社内の文書口調、出力の形、決まった作業
更新文書を差し替える学習し直す
出典示せる示しにくい
始める手間小さめ例のデータ作りと学習が要る

始める順番

  1. プロンプトで指示と例を工夫します
  2. 知識が足りなければ RAG で文書を渡します
  3. それでも形や口調がそろわない、毎回の長い指示を短くしたい、などのときにファインチューニングを考えます

2 つは組み合わせることもできます。知識は RAG で渡し、答え方の形はファインチューニングで整える、という形です。

トレードオフ

RAG は、検索で正しい文書を拾えないと答えも外れます。毎回文書を渡すので、渡す量の分だけ費用と待ち時間が増えます。ファインチューニングは、学習の費用と例のデータを作る手間がかかり、知識が変わるたびに学習し直す必要があります。知識が頻繁に変わるなら RAG、振る舞いを固めたくて例のデータが十分にあるならファインチューニング、と選びます。

よくある間違い

  • 知識を足すためにファインチューニングを選ぶ変わる知識は、学習し直すたびに古くなります。RAG のほうが向いています
  • いきなりファインチューニングから始めるプロンプトと RAG で足りることが多く、手間と費用の大きい手は後に回します
  • RAG なら間違えないと言う探した文書が外れていれば、答えも外れます

深掘りの問い

  • 「RAG の精度が低いとき、どこを疑いますか」検索の側と生成の側を分けて調べる、と答えます
  • 「ファインチューニング用の例は、何件くらい要りますか」モデルや作業で変わるので、少なく始めて評価しながら増やす、と答えます
  • 「出典を示すと何がうれしいですか」利用者が根拠を確かめられ、間違いにも気づきやすくなる、と答えます

確認日 2026年10月24日

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