AIが間違える所を見る
得意なことと、苦手なことがある
ここまでの4章で、AI はずいぶん賢く見えたはずです。文章を送るだけで画面ができあがり、色も動きも思いどおりになりました。
この章では、逆側を見ます。AI が空回りする場面です。先に知っておくと、行き詰まったときに「自分の頼み方が悪いのか、そもそも向いていない頼みごとなのか」を切り分けられるようになります。
大きいほど得意、小さいほど苦手
意外に思うかもしれませんが、AI は大きい仕事のほうが得意です。
プレーンテキスト
得意 おこづかい帳の画面をひととおり作ってください
苦手 3行目の「合計」を「合計金額」に直してください上は、AI が持っている「よくあるおこづかい帳の形」をそのまま出せば済みます。ところが下は、いまある画面のどこに何が書いてあるかを正確に読み取り、そこだけを触り、他を1文字も動かさないという細かい作業です。
この細かいほうで、AI はよくつまずきます。具体的には次のようなことが起きます。
- 頼んだ場所とは別の似た文字を直してしまう
- 直すついでに、頼んでいない部分の見た目まで作り替えてしまう
- 直したと返事をしてくるのに、画面は何も変わっていない
なぜ小さい直しでつまずくのか
理由は仕組みにあります。AI は文章の続きを予測して作る道具で、画面を目で見て確かめているわけではありません。
そのため「らしい形」を作るのは得意でも、「いま目の前にある1文字」を狙って当てるのは苦手です。似た文字が2か所あれば、どちらを直せばよいか判断できずに両方を書き換えることもあります。
もう1つ、AI はあなたの頭の中を見られません。「ここが少しダサい」「もうちょっと」といった感覚は、そのままでは伝わりません。第2章で数値や具体例に置き換える練習をしたのは、このためでした。
空回りが始まったら、いったん止める
同じお願いを3回投げて3回とも直らないときは、頼み方を4回目に変えるより、やり方そのものを変えるほうが速いことがあります。
選択肢は次の2つです。1つは、いまの状態を捨てて「この画面をまるごと作り直してください」と大きく頼み直すこと。もう1つが、この章でこれから練習する自分の手で直すという道です。
「合計」を「合計金額」にする。これは人の手なら2文字足すだけで、10秒もかかりません。AI に3回頼んで直らなかったものが、自分で開けば一瞬で終わります。
今日の演習
まずは AI の得意な側を、もう一度はっきり見ておきましょう。おこづかい帳の骨組みを、大きくひとまとめに頼んで作らせます。この「大きく頼めば一発で出る」感覚と、次のレッスン以降で見る「小さく頼むと空回りする」感覚の差が、この章の本体です。
完成条件
- 細かく分けず、欲しいものをまとめて1回で頼んでみてください
- 見出しは「おこづかい帳」、合計の行には「合計」という文字を入れてください
- 記録は ul の中の li として3件以上並べてください