期待と違う時
エラーが出ていないのに、思ったものと違う
前回はエラーが出ている場合を扱いました。あれは実は幸運なケースです。機械が「ここがおかしい」と教えてくれているのですから。
もっと困るのは、エラーがひとつも出ていないのに、出てきた画面が想像と違うときです。おこづかい帳の残金を大きく目立たせてほしいと頼んだのに、返ってきた画面では文字の大きさがほとんど変わっていない。AIは「大きくしました」と言っている。でも自分には大きく見えない。
このときに「違います、もっとちゃんとやってください」と返してしまうと、たいてい同じような結果がもう一度返ってきます。AIから見ると、どこがどう違うのかが分からないままだからです。
3つに分けて伝えます
こういうときは、次の3つを分けて書きます。
ひとつめは期待です。自分は何がどうなると思っていたのか。ふたつめは実際です。今、画面に何が出ているのか。みっつめは直し方です。どう変えてほしいのか。
プレーンテキスト
悪い例
違います。もっと大きくしてください。プレーンテキスト
良い例
期待していたこと
残金の数字が、見出しよりはっきり大きく出ること
実際に出ているもの
残金の数字が、まわりの文章と同じ大きさのまま
直してほしいこと
残金の文字サイズを 48px にして、太字にしてください下の書き方には、AIが推測しなければならない部分がひとつも残っていません。「はっきり大きく」という感覚の言葉が、48px という数字に置き換わっているところが肝心です。感覚の言葉は人によって幅が違うので、そこを詰めない限り何度でもすれ違います。
実際を書くときは、見えているものだけ書きます
「実際」の欄に、原因の推測を書きたくなることがあります。「たぶん CSS の指定が効いていないのだと思います」というような文です。
未経験のうちは、この推測は書かないほうが安全です。推測が外れていると、AIはその外れた前提に沿って直そうとして、かえって遠回りになります。目に見えているものだけを、見えたまま書くのが確実です。原因を探すのはAIのほうが得意です。
直し方まで書けないときは
「どう直せばいいか自分では分からない」という場面もあります。そのときは、みっつめを次のように書き換えます。
プレーンテキスト
直し方が分からないので、案を2つ出してください。
それぞれどう見えるかも説明してください。選ぶのは自分、案を出すのはAI、という分担にすると進みます。丸投げの「いい感じにして」とは違い、選択肢という形で返ってくるので、判断できます。
演習
右の画面のおこづかい帳は、残金がまわりの文章と同じ大きさで出ています。期待と実際と直し方の3点で伝えて、残金を大きく目立たせてください。
完成条件
- 期待と実際と直し方の3つを分けて書いてください
- 大きくという感覚の言葉ではなく、数字で伝えてください