大きな変更は刻む
一気に頼むと、まとめて壊れます
おこづかい帳に、こんな機能を足したくなったとします。金額を入れる欄と、追加ボタンと、記録の一覧と、残金の自動計算。全部です。
これをひとつの文で「入力欄と追加ボタンを付けて、押したら一覧に追加されて残金も自動で減るようにしてください」と頼むと、うまくいくこともありますが、外れたときの被害が大きくなります。4つのうちどれかが動かなかったとき、どれが原因なのか分からないからです。画面は真っ白、直したい場所は4つ、どこから手を付けるかも分からない。第1章で「1回1変更」と教わったのは、このためです。
刻むと、壊れた場所がすぐ分かります
同じ機能を3回に分けて頼むと、こうなります。
プレーンテキスト
1回目
金額を入れる入力欄と、追加ボタンを画面に置いてください。
押しても何も起きなくて構いません。
2回目
追加ボタンを押したら、入力欄の金額が下の一覧に1行増えるようにしてください。
3回目
一覧に増えるたびに、残金からその金額を引いて表示し直してください。1回ごとに画面を見て、動いていることを確かめてから次へ進みます。もし2回目で壊れたなら、原因は2回目で頼んだ部分にあります。1回目の状態は動くと分かっているので、そこに戻せば必ず復帰できます。これが刻むことの本当の値打ちです。うまくいく確率が上がるだけでなく、戻れる場所が増えるのです。
どこで刻むかの目安
未経験のうちは、次の3つの区切りで刻むとうまくいきます。
まず置くです。ボタンや入力欄を画面に出すところまで。次に動かすです。押したときに何かが起きるようにするところまで。最後につなげるです。その動きを他の表示に反映させるところまで。
置く、動かす、つなげる。この順で頼むと、それぞれの段階で画面が目に見えて変わるので、進んでいるかどうかを自分の目で判断できます。
刻んでもうまくいかないときは、さらに刻みます
3つに割ってもまだ壊れるなら、その回をさらに2つに割ります。「押したら一覧に増える」が難しければ、「押したら固定の文字が1行増える」を先にやり、そのあと「増える文字を入力欄の値にする」を頼みます。
刻む幅に正解はありません。自分が確かめられる大きさが正しい幅です。
演習
右の画面のおこづかい帳には、入力欄も一覧もありません。刻んで頼み、追加ボタンを押したら一覧に1行増える状態まで進めてください。
完成条件
- まず置くところまで頼み、画面を見てから次へ進んでください
- 1回ごとに画面が変わったことを自分の目で確かめてください