壊れたら戻す
直そうとして、もっと壊れることがあります
エラーが出た。そのまま渡した。直らない。もう一度頼んだ。今度は別のところが壊れた。さらに頼んだ。もう何が元の形だったのか分からない。
これは未経験者だけの失敗ではありません。慣れた人でも起こります。壊れた状態の上で直そうとし続けると、どんどん元から遠ざかるからです。
こういうときの正解は、直し続けることではありません。動いていたところまで戻ることです。
戻るという選択肢を最初に思い出します
AIとの対話には履歴が残っています。どの時点でどんなコードだったかが分かるので、いつでも過去の状態に引き戻せます。編集画面のリセットや元に戻す操作、コードのコピーを自分で控えておく方法も同じ役割を果たします。
判断の目安はひとつです。同じ場所を2回直してもらってまだ直らないなら、戻る。3回目を頼むより、動いていた状態に戻して別の道から頼み直したほうが、ほとんどの場合早く着きます。
戻ることは負けではありません。登山で道に迷ったとき、藪の中を進み続けるより、分かれ道まで引き返すほうが速いのと同じです。
戻ってから、頼み方を変えます
ただし、戻ってまったく同じ頼み方をすると、また同じところで壊れます。戻ったあとは必ず頼み方を変えてください。前の章で学んだやり方が、そのまま使えます。
ひとつは刻むことです。一度で頼んでいたものを、2つか3つに割ります。もうひとつは具体にすることです。感覚の言葉が残っていれば、数字や決まった文言に置き換えます。もうひとつは範囲を狭めることです。「style.css だけを直してください」「index.html は触らないでください」と、触ってよい場所を明示します。
戻れるように、動いた時点を覚えておきます
戻る前提で進めるなら、どの時点が動いていたかを自分で把握しておく必要があります。難しい記録は要りません。1回変更するたびに画面を見て、動いていたら心の中で印を付けておく。これだけで十分です。
刻んで頼むことが大事なのは、ここにもつながります。刻めば刻むほど、動いていた印の数が増えます。印が多いほど、戻る先が近くなります。
演習
右の画面のおこづかい帳は、直そうとして壊れたあとの状態です。見出しの閉じ方が壊れていて、残金の色を変えるつもりで書かれた指定も効いていません。動く状態に戻してください。
完成条件
- 壊れた上に足すのではなく、動く形に戻すつもりで頼んでください
- 触ってよいファイルを指定すると、余計な変更が入りません