AWS CLF(Cloud Practitioner)対策
クラウドの利点
このレッスンを終えると、AWS が挙げるクラウドの6つの利点を、自分でサーバーを建てたときの困りごとと対応付けて説明できるようになります。
自分でサーバーを1台建てるなら
自前でサーバーを持つと、費用は次のように出ていきます。まず機器の購入代金がまとまって出ます。次にラックの場所代、電気代、空調、回線、そして誰かが監視して部品を交換する人件費が毎月かかります。これらはサーバーが1台でも100台でも必要になる固定的な負担です。
さらに厄介なのが、買う量を先に決めなければならないことです。年末のセールで10倍のアクセスが来るなら、その10倍に耐える台数を1年中持ち続けることになります。残りの11か月は、その大半が電気を食いながら遊んでいます。
AWS が挙げる6つの利点
AWS はクラウドの価値を6つに整理しています。試験ではこの6つが、言い換えられた文章として出ます。
| 利点 | 意味 | オンプレミスでの困りごと |
|---|---|---|
| 設備投資を変動費に変える | 買わずに使った分を払う | 先に大金を出して機器を買う必要があった |
| 規模の経済によるメリット | 多数の利用者の需要が集まるので単価が下がる | 1社分の購買力でしか値引き交渉できない |
| キャパシティーの推測が不要になる | 動かしながら増減できる | 買う前にピークを当てる必要があった |
| 速度と俊敏性が向上する | 数分で用意できるので試す回数が増やせる | 調達に数週間かかり、試す前に企画が止まった |
| データセンターの運用と保守に投資しなくてよい | ラック作業や部品交換から解放される | 本業と関係ない作業に人手を取られた |
| 数分で世界中にデプロイできる | 遠い地域にも近くから配信できる | 海外拠点向けに現地へ機器を置く必要があった |
規模の経済とは何か
規模の経済とは、まとめて仕入れるほど1単位あたりの原価が下がる仕組みのことです。AWS は世界中の膨大な利用者の需要を1つに束ねてハードウェアを調達するので、1社で買うより単価を下げられます。その分が値下げとして利用者に返る、という筋書きです。
ここで大事なのは、これが利用者側の努力ではなく、提供者側の規模によって生まれる利点だという点です。試験で「利用者数が増えるほど単価が下がる」と書かれていたら、規模の経済を指しています。
従量課金の考え方
従量課金 (Pay-as-you-go) は、使った量に応じて支払う方式です。仮想サーバーなら起動していた時間、ストレージなら置いてあるデータ量と期間、データ転送なら流れた量が対象になります。
押さえておきたい考え方が2つあります。1つは、停止して不要な資源を削除すればその分の請求が止まるということです。もう1つは、データ転送は外向き (インターネットへ出ていく方向) が主な課金対象で、AWS へ入ってくる方向は基本的に課金されないという考え方です。具体的な金額は変わりますから、金額ではなく「何が課金の単位になっているか」で覚えてください。
試験ではこう出る
- 「サーバーの購入をやめて月々の利用料にしたい」→ 設備投資を変動費に変える
- 「利用者が増えるほど単価が下がる」「AWS のコスト削減が値下げとして還元される」→ 規模の経済
- 「ピーク時に合わせて買った機器が普段は遊んでいる」→ キャパシティーの推測が不要になる
- 「新機能を試すまでの時間を短くしたい」「失敗してもすぐ捨てられる」→ 速度と俊敏性
- 「ラック作業や機器の保守から解放されたい」「本業に集中したい」→ データセンターの運用と保守への投資が不要
- 「海外の利用者にも低い遅延で届けたい」→ 数分で世界中にデプロイできる
選択肢に「セキュリティは AWS がすべて担当する」のような文が混じることがありますが、これは6つの利点ではなく、後の章で扱う責任共有モデルの話であり、内容としても誤りです。
まとめ
- 6つの利点は、設備投資の変動費化・規模の経済・推測不要・俊敏性・保守からの解放・世界展開です
- 規模の経済は提供者側の調達規模から生まれる利点です
- 従量課金では、停止と削除がそのまま請求の停止につながります
- データ転送は外向きが主な課金対象という考え方で覚えます
- 試験は6つの利点を必ず言い換えて出題します
復習ミニクイズ
「AWS の利用者が増えるほど規模が大きくなり、その結果生じたコスト削減が値下げとして利用者に還元される」という説明は、AWS が挙げるクラウドの利点のうちどれに当たりますか。