AWS CLF(Cloud Practitioner)対策

学習環境の方針

学習環境の方針

このレッスンを終えると、このコースがなぜ AWS の実アカウントを前提にしないのかを理解し、任意のハンズオンをどこまでやるか自分で決められるようになります。

サーバーを1台建てるときとの違い

自分でサーバーを建てて学ぶとき、失敗の代償は基本的に時間だけです。OS の設定を壊しても入れ直せば済みますし、機械の値段は最初に払ったきりです。

クラウドは違います。ボタンを押した瞬間から課金が始まり、消し忘れたリソースは寝ている間も料金を積み上げます。しかも消し忘れやすいものほど目に付きにくいところにあります。停止したはずの仮想サーバーに紐づいたディスク、使っていない固定 IP アドレス、他のリージョンに作ったまま忘れた資源などです。

もう一つ大きいのが鍵の事故です。アクセスキーを誤って公開リポジトリに置いてしまい、第三者に使われて高額な請求が発生する事例は珍しくありません。学習の一歩目でこれを踏むのは割に合いません。

このコースの方針

そこで本コースは次の方針を取ります。

  • 実アカウントの作成を必須にしない。 各レッスンは画面の説明とシナリオ問題で進みます
  • 課金が発生する操作を手順として指示しない。 「ここでインスタンスを起動してください」という形の課題は出しません
  • 実操作は任意課題として案内する。 やりたい人だけ、無料利用枠の範囲で試せるように注意点を添えます

これは手抜きではありません。CLF は構築の実技を測る試験ではなく、要件の文から適切なサービスや考え方を選ぶ試験だからです。実際、試験に出るのは「このインスタンスの起動手順は」ではなく「このような要件のとき最も適切なサービスはどれか」という形の問いです。手を動かさなくても、対応関係を正しく持っていれば合格ラインに届きます。

それでも手を動かしたい人へ

実際に触るとサービスの距離感が掴めるのは確かです。やる場合は無料利用枠(AWS 無料利用枠)の範囲で、次の点に気を付けてください。

気を付けること理由
ルートユーザーで日常作業をしない権限が強すぎて事故が大きくなります。第3章で扱います
ルートユーザーに多要素認証を設定する乗っ取られたときの被害が桁違いになるためです
アクセスキーをファイルやリポジトリに置かない流出事故で最も多い経路です
予算のアラートを先に設定する想定外の課金に気付けるようにしてからリソースを作ります
触ったら必ず片付ける停止と削除は別物です。ディスクや IP アドレスが残ります
リージョンを固定して使う別リージョンに作った資源は一覧から見落とします

無料利用枠は種類ごとに条件が違い、内容も変わります。金額や上限の数字を覚える意味は無いので、公式の案内をその都度確かめてください。試験でも無料利用枠の細かい数値は問われません。

試験ではこう出る

学習環境そのものが出題されるわけではありませんが、ここで扱った考え方はそのまま第3分野と第4分野の設問になります。

  • 「想定外の請求に気付けるようにしたい」と来たら、AWS Budgets による予算とアラート
  • 「日常の作業に使うべきなのは」と来たら、ルートユーザーではなく IAM ユーザー
  • 「アカウントの保護を強めたい」と来たら、多要素認証(MFA)の有効化
  • 「使った分だけ払う」と来たら、従量課金。使っていないリソースは削除するのが原則

つまり、事故を避けるための注意事項がそのまま試験のベストプラクティスです。

まとめ

  • クラウドは押した瞬間から課金が始まるので、学習の入り口を実アカウントに依存させません
  • 本コースは画面の説明とシナリオ問題で進み、実操作は任意課題として案内します
  • CLF は構築の実技ではなく、要件からサービスを選ぶ力を測る試験です
  • 実際に触るなら、MFA、予算アラート、後片付け、鍵を置かないことの4点を先に整えます
  • 無料利用枠の金額や上限は変わるので数字を覚えず、公式の案内を確かめます
生田 陸人
ゆめさくエンジニア / 現役ソフトウェアエンジニア
編集 LuaGate編集部

復習ミニクイズ

AWS を学習用に実際に触ってみることにしました。リソースを作る前にまずやるべきこととして、最も適切なものはどれですか。